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【ドラマ】ミス・マープル『スリーピング・マーダー』―あれ?あれ??…まいっか!な作品(アガサ・クリスティ原作)


『スリーピング・マーダー』 
ミス・マープル役:ジェラルディン・マクイーワン 

これはガラッと原作と変わっています。原作ではグエンダとジャイルズの若い新婚カップルによる探偵劇でしたが、ジャイルズはほとんど出て来ず、そのかわりその部下、ドラマオリジナルキャラのホーンビームが事件に挑む。そして被害者ヘレンと容疑者のゆかいな仲間たちは旅芸人の一座になっていた。なんぞこれはw ”ファニーボーンズ”ってなんだよw

原作と結構違うので、あれ?あれ??という感じで原作と混乱し登場人物がわけわからないことになって初めは話の筋が全然頭に入ってこなかったのですが、全然違うんだなと納得してからは、犯行も犯人も別物かもといろいろ推理して結構楽しんで見ることができました。

全体的にコミカルなアレンジになってます。ミス・マープル初登場シーンの、回転扉にグエンダが入っていくと扉の奥からミス・マープルが登場し、そのままグエンダが一周して出てくるシーンがなぜかお気に入り。グエンダがミス・マープルを指さして”こいつかよ!”という表情をしているのも。



グエンダはソフィア・マイルズが演じていて、ちょっと強引でそれを何とも思っていないいかにもお嬢様といったキャラでかわいらしいです。オリジナルキャラのホーンビーム君もなかなかいい味出しています。ちんちくりんでイモっぽいですが、頭の切れる手際のいい部下。かいがいしく上司の婚約者の面倒を見ていますが、言うことは言う。この組み合わせは結構好きです。原作のジャイルズがクリスティ作品でありがちな、根拠のない自信にあふれた若い男の子といった感じの面白みのないキャラだったので余計に。

旅芸人の一座も結構濃いキャラぞろいで。イーヴィー・バレンタインが良いです。18年前はわざとらしいまでにダサい女の子役なのですが、現在は高飛車大スター。女性は化粧でこうも変わるか、と女ながらに思います。そして”ファニーボーンズ”、真面目な顔で連呼されるたびに妙な笑いがこみ上げてくるのですが。なんでこんな名前なんだw

あらずじ、原作『スリーピング・マーダー』読書感想はこちら
ヒクソン版『スリーピング・マーダ―』視聴感想はこちら
アガサ・クリスティ 作品・感想一覧はこちら


以下ネタばれあり

旧東奥義塾外人教師館 子供部屋
※注 写真は日本の青森です

正直推理自体より、ホーンビーム君の恋の行方が気になる話でした。上司の婚約者に惹かれてしまう、仕事はできても冴えない、いかにも女性慣れしていない人という感じのホーンビーム君。イーヴィーのステージを見つめるグエンダを見つめるホーンビーム君のシーンが印象的。

初めの方は原作との違いで全く筋が頭に入っていなかったので、何かこの話グエンダとホーンビームがいいコンビだけど、上司の奥さんじゃどうにもならんだろと思っていたのですが、原作と違ってまだ結婚前、婚約中だった。最後にミス・マープルが「まだ間に合う」と言うまでずっと勘違いしたままだったわ。ずっと結婚後だと思っていたので、不倫はまずいだろ、どうすんのこれと思って見ていましたが、それでもつい応援したくなるいい男でした。グエンダの両親のプロポーズの話から、「僕は膝まづいてプロポーズはしない」で、最後に駆けて行って膝まづいてのシーンは、来た来た!という感じで。しかしホーンビーム君の、今後の会社での立場が気になります。



犯人と犯行方法はあまり原作と変わっておらず(といってもグエンダの実の伯父という設定になってはいますが)、そのせいか犯人自体の印象は薄い。ヘレン殺しの真相より、グエンダの両親による偽装死亡事故のほうがメインの謎ときになっているような。そしてマープルさんも登場の割に影が薄いような。見せ場は最後の謎解きだけか?どうやってミス・マープルが真相にたどり着いたかが分かりづらく、最後はとっても駆け足です。

ほかにも、偽装死亡事故の時に妻の死体はどうやってごまかしたんだよとか、息子が他の男の子供だったのに和気あいあいで終了してそれでいいのかとか、いろいろありますが、なんか考えたら負けな気がします。なんたって”ファニーボーンズ”ですからね。見ていて ”ん?”と思うことがあっても…いや、まいっか!となんでもノリと勢いで流していって許されるような。

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マクイーワン版は時間が1時間半と短いため、どの作品も全体的に登場人物達の心情の掘り下げが弱くなってしまい物足りなさを感じることも多々あるのですが、パディントンといいこの作品と言い、ラブコメ風味のスコーンと突き抜けて軽いアレンジになるとハマりますね。

全体的にハチャメチャな印象ですが、兄によるヘレンとクレアの言い間違えや、上記のプロポーズの件、グエンダの父の”死んだ妻が好きだった曲”のシーンの種明かしとか、全体的に後から ”あ~” と思う伏線が多く、見終わった後には謎の爽快感あり。


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