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【本】『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか』(アガサ・クリスティ著)―素人が犯人探しになぜ、ベストを尽くしたのか

『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか』☆☆☆☆★

先日ベストを尽くして注文した『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか』、トッズのファミセの待ち時間にうお~!!と読み進め、どうにかミス・マープルのドラマ放送前に読み終わりました。滑り込みセーフ。私は原作未読でドラマを見るより、原作を読んでからドラマを見たほうが好きです。

原作はミス・マープルものではなく、ノンシリーズ。上田&山田コンビ 違った、お嬢様と下々の者による探偵ごっこ、素人達が犯人探しになぜベストを尽くしてしまったのか(←まだ言ってる)、というハチャメチャ☆ラブコメディです。

牧師の息子ボビィは、近所のゴルフコースにある地面の割れ目の底に男が転落しているのを発見する。男は既に虫の息で、救助に向かったボビィに「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか」という言葉を残して死んだ。用事のあったボビィは、そこに通りかかった男に、この男の後処理を頼み立ち去る。

その後に起こる不可解な出来事。検視審問で男の身内と言って現れた、男が持っていたはずの写真とは似ても似つかない女、そしてボビィの飲み物に入れられた致死量のモルヒネ。あれは事故じゃない、あの男はきっと殺されたに違いない。手がかりは「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか」という言葉。ボビィと幼馴染の令嬢フランキーは、犯人捜しの冒険を開始する。


 ⇒アガサ・クリスティ作品感想一覧はこちら
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 その1、新生銀行で1000円当たったので、今週末のミス・マープルに備えなぜベストを尽くさないのか
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一言で言うと、ラノベ風?ラノベなんて10年以上読んでいないので、最近のラノベがどんな風かはわかりませんが。モルヒネ十六グレイン飲んでも死ななかったんだぜうひょ~とか、「車売って頂戴」「どうするの?」「壊すのよ」「…頭が痛い」のあたりやら、天井から降ってくる仲間やら、通常だったらシリアスだったり恰好よくなりそうなところもつい吹き出してしまうようなギャグ調の展開になっていて、読んでいてとても楽しいです。


貴族のご令嬢で、頭がよく、度胸があり、刺激が大好きなベントレーを乗り回すフランキーと、平民で、ちょっと間抜けで、お人よしなボビィ。貴族の立場と人脈を十分に利用し、事故をでっち上げて敵地に乗り込み、捜査を指示する勇敢なお嬢様と、自分の事件なのに蚊帳の外に置かれてふてくされたり、付け髭にご満悦の様子だったりするボビィ。…どう考えてもフランキーだけでいいんじゃね?ボビィ、使えなくね?と思わなくもない。ボビィのアドバンテージはと言えば、事件の当事者で被害者の男と謎の男に会っている、ということだけ。がんばれ、ボビィ。



以下ネタバレあり

なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか



なんとなくラノベだと、普段は気の強いお嬢様も絶対絶命のピンチに陥いれば、弱い部分がぽろっと出てしまい、そんな時にダメ男に見えてやるときはやる男が本領を発揮、お嬢様もついポッとなる、というご都合主義の展開がありそうですが、この作品では割と最初から最後までダメ男はダメ男なのがリアルです。最終的にはフランキーのパパに仕事まで斡旋してもらっちゃって。最初から最後まで、機転が利いて頼りになって優秀なのはお嬢様のフランキー。

この話、全体的にテンポよく会話の掛け合いも小気味よく、お気に入りのシーンが多々あり。犯人に捕まって絶体絶命のところに、天井からこれまたダメ男のバジャーが降ってくるのが好きです。こいつもダメに見えてやるときゃやるのか?と思いきや、借金で首が回らなくなってお金を借りに来たとかw ほんと好きだわw

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バジャーが落ちてきた穴を、靴を投げて開けた穴とごまかすところとか、いよいよ犯人への逆襲で、油断させるためにわざとしょんぼりした風を装うところとか、この3人の素人探偵はとてもかわいらしい。犯人を締め上げ、形勢逆転したところで、30章「脱出」。我らがへっぽこ探偵団が敵のアジトからいよいよ脱出かとおもいきや、脱出したのは犯人。あら~。これで終わりかと思ったのに。

ていうか、そういえばエヴァンズは?と忘れるぐらい最後の最後にエバンズの謎解き。犯人はロジャーとモイラ、もしくはニコルソン博士とシルヴィアどっちかの組み合わせだろうな、というのは結構最初の方に予測がつき、ニコルソン博士を容疑者として話が進みすぎるので、こっちじゃないなwという感じで犯人の予測は割と簡単です。ですが、肝心のエヴァンズが全然わからん。




読みながら、あ、そういえばこの本『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? 』という題名だったわ、エヴァンズ探す話だったわ、と何度も忘れかけてしまうぐらい、エヴァンズちっとも話題に上らず。あとちょっとしかページないけど、エヴァンズ見つかるのか…?と思うぐらい最後の方に、あっさりエヴァンズ判明。牧師館にいたのかよ!こんなところまでなんとなくラノベ風。

ちょっとご都合主義にも思えましたが、アレックスはエヴァンズに会いに来て殺されたんだから、瀕死のアレックスを発見した人物がエヴァンズに近い人でもおかしくないわけで。そしてボビィが殺されそうになったのも、単に「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか」という言葉をきいただけでは弱すぎる、エヴァンズにつながっている人物だからこそなわけで。

しかしエヴァンズは、てっきり男の人だと思ってたわ。ついでに、フランキーもどうしても男の人の名前と思ってしまう。外国の名前って難しい。


とにかく軽いノリの話で、心に来る心理描写や、内面的な部分で印象的な点は正直全く無いのですけど、サクサク読めるし謎の続きは気になるので全体的にはとても面白かった。こういうラブコメ風味の軽い話は、グラナダ版と相性がよさそう。ドラマも楽しみです。


関係ないですが二人で捕まって縄をかけられるシーン、「なぜ、ベストを尽くさないのか…!Why don't you do your best???!!!」「うお~」のシーンを思い出して満足です。


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