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海外旅行とアガサ・クリスティのブログ 最近はマイリトルボックスレビュー・コスメ・ファッションに侵食されぎみ


【ドラマ】ミス・マープル『カリブ海の秘密』 ―やっぱりネメシスは無し

『カリブ海の秘密』
ミス・マープル役:ジュリア・マッケンジー

前回放送で撮り逃した『カリブ海の秘密』、今回は続けて再放送をしてくれたおかげで、ちゃんと撮ることができました!実は『鏡は横にひびわれて』も失敗して最後30分撮れていなかったことに、先週の再放送直前に気が付いてあわてて取り直しているので、今回録画したのは2つ。これでグラナダ版ミス・マープルの録画はコンプリートです!

カリブ海の秘密」の映像はこれで3作品(あとはヒクソン版とヘレン・ヘイズ版)みましたが、このグラナダ版が一番好きです。今作は結構不安をあおるつくりであっという間の1時間半。細かいところは結構原作と違っていて、なぜか突然イアン・フレミング出てきたりしましたがwww

今回はいつにもまして映像が好きです。旅行好きなのでこういうホテルや異国風景はもちろんのこと、今回はノスタルジックな色味が素敵。グラナダ版は、特にジュリア・マッケンジー版になってからはなんとなく灰色で彩度を落とした、英国の肌寒そうな曇り空の田舎風景の映像が多かったように思うのですが、今回はカリブ海が舞台なのでいつもと違い、ピンクやら水色のパステル系を、ちょっと時代がかって黄色くくすませたような色味でとても可愛いかった。インスタグラムのNASHVILLE系の加工っぽい感じ。



そしてビーチリゾートファッションも。ウエストのきゅっとしまったプリントワンピや昔の水着とか、見ていてともて飽きない。地元の人の、褐色の肌に合った鮮やかな色のファッションもよかったな~。マープルさんはいつもの灰色コートじゃなく、半袖ブラウスにレースの手袋、黒い麻の日傘。おしゃれ~。

『復讐の女神』の時も書きましたがマープルさんがネメシス(=復讐の女神)と呼ばれるようになったエピソードである『カリブ海の秘密』が、ドラマでは『復讐の女神』の後の話になってしまっているので、ドラマではなにが『復讐の女神』なのかもわからんし、この話ではネメシスの単語すらなかったことに。原作だと、『ポケットにライ麦を』あたりから徐々に罪や悪との闘い、みたいな面がマープルさんに強く見えるようになってくるのですが、ドラマはわりと初期からそんな感じか?

あらすじは原作感想の方で書いたので省略。
 ⇒関連エントリー:【本】【ドラマ】ミス・マープル『カリブ海の秘密』(アガサ・クリスティ著)感想 ※ヒクソン版とヘレン・ヘイズ版ドラマの感想もこちらに
 ⇒アガサ・クリスティ作品感想一覧はこちら


以下ネタばれあり

コタキナバル ステラハーバーリゾート


原作で全然出てこなかった(と思う)ブードゥー教とか、ヴィクトリアの生きかえりとか、原作より若干おどろおどろしい感じがつけくわえられていました。目玉吹っ飛んでたのに驚きましたが、そういや義眼だった。でも心臓に悪いわ。冒頭のダンスやゾンビの話、呪術師なんかも登場し、土着の”未開”の宗教的な不気味な雰囲気に浸っていたので、最後の警部のことばが効いてきました。

「観光客はこの島に来て遊び、浮気をし、酒を飲み、罪を犯す。みんなここでは、文明人のルールが当てはまらないとでも思っているんですよ。我々野蛮人には。」

耳が痛い。このへんは全部ドラマオリジナルですが、個人的には好きな改変です。ただの観光土産の人形を持って、これは特別に魔力のある願掛け人形じゃ~へっははははっは~と脅してみせるのも、そういうのを求めてくる人が多いことを表しているのでしょう。この辺の植民地にされた側と元本国、先進国と開発途上国との溝もみどころ。

原作だとクリームに幻覚剤がしこまれているのを見抜いたジャクソンでしたが、唯一の見せ場もマープルさんの説明にのっとられ、その横でクリームの容器を嗅いでいるだけにw いや、最後マープルさんの命令でティムを止めるシーンも見せ場のはずでしたが、こちらもマープルさん御自らがお出ましになり。話の筋としては大体同じですが、全体的にマープルさんの独壇場でした。



最後はかなり駆け足だったので、もしかしたら原作読まないとポカン状態かも。秘書のエスターは、ドラマだけだと性格悪そうに見えますが、原作では何も知らずティムに騙され、たぶらかされた被害者でかわいそうな感じでした。しかし、モリーが最後プレスコット牧師とくっついたのだけはどうなんだろうか。牧師さん、なんか24時間棒読みだけど大丈夫か?ww なんにせよ前の夫よりはいいですね。


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