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【ドラマ】名探偵ポワロ『クラブのキング』 ―え、それでいいの?

『クラブのキング』

順番前後していますが『クラブのキング』です。原作は『教会で死んだ男』収録の短編。原作だと、登場人物が割ととんでも設定。モーラニアとかいう国のポール公に、母親はロシアの大皇妃だと吹かしている有名なダンサー。しかも先週占ってもらった預言者ザーラに「クラブのキングに気を付けろ!」というお告げをもらっていたとかなんとか。開始6ページですでにお腹いっぱい。



クリスティの話には、こういう偽アナスタシア系のダンサーがたまに出てきますね。あと預言者とか降霊術も。このあたり、この時代のホラーなんかにもわりと登場するけれど、推理小説に書いても ”ぷっ、何それ” と思われない程度には一般的にも流行っていたんでしょうか。そしてそれらを丸々信じちゃういろいろと紙一重な男性もクリスティのお約束。クリスティの描く男性は、特に恋がからむと頭に大量の花が咲く傾向にあるようです。

しかし現代から見るとここら辺の設定は”ぷっ、何それ” 以外の何物でもなく、ドラマは預言者は無しの職業は大根女優に変えてきました。そしてこの眉毛と髪の毛の色の差が気になるバレリー・サンクレア役の女優さんは見覚えがあるぞ。同じくクリスティのミス・マープル(マクイーワン版)の『パディントン発4時50分』でエマ・クラッケンソープを演じてた人ですね。

 ⇒関連エントリー:【ドラマ】ミス・マープル『パディントン発4時50分』―クリスマスなので、何も考えず頭からっぽにしてお楽しみください(アガサ・クリスティ原作)

あらすじは今回はNHK公式HPから引用―

ポワロは映画の撮影現場で、旧知のモラニア国の王子ポールに会う。ポールは主演女優バレリーの恋人だった。その夜、ポールからポワロに電話がある。映画のプロデューサーが殺害され、バレリーが死体を発見したという。スキャンダルになるのを恐れた王子は、ポワロに真相を解明してくれるよう依頼する。実はバレリーはプロデューサーから何かを強要されていた。


建築全く詳しくないのでわかりませんが、リードバーンの家はずいぶん恰好いいですね。どちらかというとクラシックな方が好みですが、こういうのも良い。そして殿下のお部屋の可愛らしいことといったら。王族のお部屋とは思えないわ。王族のお部屋見たことないけど。あのぼくちゃんのパジャマ姿に、ポンポンの三角帽子を被せたらとても似合いそう。

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以下ネタばれあり

洋館 写真



カッとなって殴ったら、相手が倒れて頭打って、あ、死んじゃった…




過失致死では…?

え、いいの?見逃して。原作読んだときは、あまり短編が好きではないのでサラッと読み流してしまったのですが、そう言えばこれ犯人見逃しているんですね~。ポワロは原作の『ヘラクレスの冒険』等でもたまに犯人を見逃したり、それどころか違う犯人にはのぼせ上がったりしてるけど、そういうのはわりとしょぼい犯罪のみで人が死ぬような大きな犯罪で犯人を見逃したのは『オリエント急行の殺人』だけと思っていたのですが、違ったんだ…。これ、正当防衛でもなさそうなのに。 ”ポワロは許しません” するのは故意、殺人のみなんですかね。


この話、たまたま悪い人が死んだからめでたしめでたしみたいになってるけど、そいういう事前情報なく普通に男2人が喧嘩して頭なぐった拍子に倒れて打ちどころ悪くて死んだ、と考えると酷いよね。しかも2対1だし。殴った人見逃したらこれはちょっとあり得んだろ―

…と思いつつ被害者エロじじいだし短編で話にあんま感情移入しないから、割とどうでもいい。人一人死んでるのにこの辺の軽さは、やはり短編ならではか。

なお、原作だとバレリーの何らかの秘密を握ったリードバーンが彼女を恐喝、そんでたまたま実家が隣にあったからうんたらかんたらというもので、結構ご都合主義。ドラマだとここらへん、リードバーンに握られていたのは父親の過去ということにしているので、実家が隣設定が活きてくる話になっています。全体的に原作より受け入れやすい設定。でもちょっと短編は1時間ドラマにするには話が短いのかな?いろいろむりやり付け足したり話半ばで筋がわかったりしがちで、これも結構間延びした印象。そろそろ長編が見たいわ…と思ったら、今週は『エンドハウスの怪事件(=邪悪の家)』!へいへいへい!来ました来ました~♪1時間40分でたっぷり。まだ見たことない話だし、原作も好きなので楽しみだな~。

 ⇒関連エントリー:【本】『エンド・ハウス殺人事件』(『邪悪の家』)―ニック可愛いよニック、なお話(ポアロ物)


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