旅行鞄にクリスティ

海外旅行とアガサ・クリスティのブログ 最近はマイリトルボックスレビュー・コスメ・ファッションに侵食されぎみ


パリのテロの夜とフランス出国【フランス・ベルギー・オランダ旅行記】

パリ同時多発テロ パリ北駅

はじめに断っておくと、テロ現場に遭遇もしていないし、翌朝早々にはパリをたったので、私はテロの影響は何一つ受けず、結果的に全て予定通り旅行を終えています。テロでこんな大変な状況にとか、テロ後の街の様子なんかがわかる内容は無く、個人旅行だったのでどうしようどうしようと慌てていた心境をダラダラと綴っただけのエントリーです。


11月13~14日 テロの夜


前のエントリーの通り13日夜は何も気が付かず早々と就寝したものの、1時ごろ電話の音で目がさめました。日本にいる母が心配してかけてきたもので、パリで事件があったみたいだけど、大丈夫なの?という問いに、寝る前に見たTVを寝ぼけながら思い出し、ああ、なんかそんな事件あったみたいだね、と答え通話終了。再び眠りに。が、何かおかしい気がする。日本からわざわざかけてくるぐらいだから結構なニュースになっているということ?しかもなんだかホテルの中も騒がしい。

ようやく起きて再びテレビを付けると、どのチャンネルもサイレンの鳴り響く深夜の暗いパリの街をライブ放送、そしてテロップに「Paris Attacks」、死者が50何名と。ここに来てようやく大規模な事件が起こったのを悟る。しばし呆然としましたが、今回はツアーではなく個人旅行で来ているので頼りになる人はおらず、自力で対処せねばなりません。

しかしTVで見れる唯一の日本語番組NHKワールドはリアルタイムではないようで、すごく呑気な内容を映しており、頼れる番組は英語のニュースのみ。食い入るようにニュースを見ましたが、テロがパリのどこで起こったのかがまずわからない。パリの地図は出るものの、ランドマークや駅名が出ているような観光客用の地図とは違うので、縮尺もよくわからずパリの右岸というぐらいしかわからず、ニュースキャスターの英語も早口なのでなかなか聞き取れず。どうにかわかったのが、パリ10・11区とサン=ドニという地名。その近辺を中心にどうやらかなり広範囲で地区を跨いで起こっており、しかも建物の中にも押し入っている様子。私達のホテルのあるのは9区、隣です。ここにいて大丈夫なのか、この瞬間は結構青くなりました。

外は一体どうなっているのか。私の泊まっている客室の窓は写真のような内側の吹き抜けに面しているもののみで、通りの様子は全く見えません。部屋自体が通りからは離れているため、押し込まれたり発砲されたりもしにくいけれども、様子も全くわからない。ホテルのランクはさほど低くはないものの、全体的に旧式のこじんまりとしたアンティークホテルで最新式のセキュリティという感じではない。客室を出ていいものか迷い、しばらく耳をすまして様子を伺ってみたところ、サイレンの音すらしない。騒がしいのは、恐らくゲストが色んな部屋でテレビを見たりしゃべっているからだけのようです。とりあえず何かすぐ行動しなければならない状況ではなさそう。

ミレニアムホテルパリオペラ

ということで、とにかく情報が欲しいとスマホで日本のニュースを探しましたが、パリでテロがあって死者が、以上の情報はなく。そういえば東日本の地震の時に一番早い情報はTwitterだったと、そちらを検索しましたが、日本からパリの話題を呟くひとは、もちろん日本のニュースを元にしているのでニュース以上のことは分からず。そしてパリにいる日本人のつぶやきはほとんどなく。

そうこうしているうちに、日本のTwitterに国境封鎖という情報が流れて来ました。私達、今日タリス(国際列車)でベルギーに出国する予定なんだけど…。しかし出国予定のパリ北駅は10区で、ホテルよりさらにテロ現場に近いような…?嫌だ、そっちには行きたくない、というかそもそも行けるのか?

※下の地図の赤い6つの☆がテロ現場、が泊まっているホテルと明日行くはずの駅、そしてついでに観光客が良く行くギャラリーラファイエットとオペラ座です

パリ同時多発テロ現場 ホテル 地図

後からわかったことですが、私たちのホテルの最寄駅リシュリュー・ドゥルオ駅から、テロ現場の最寄り駅の一つレピュブリック駅は地下鉄で4駅先。そこまで近くもないですが遠くもなくと行った場所でした。当時はそこまではわからず、とにかくパリ北駅のある、隣の10区を含む広い範囲で起こっているということぐらいしか。今から見るとパリ北駅はテロ現場を結ぶライン状の中間地点ですがちょうど空白地帯で、そこまで近くもない?いや人が集まり標的になりやすいから飛び火してくる?といった距離か。

国境封鎖となると、ホテルの予約は今日までだから、まずは宿を確保しないとなりません。延泊できるかな?タリス(国際列車)のチケットはたしか変更できないタイプだから買い直さないといけないか…いや運行しない場合は振替してくれるか?それに買い直すにしても、いったいいつ出国できるの?そうだベルギーとアムステルダムのホテルもキャンセルしなきゃ。予定変更できないタイプで予約したから、返金無しで全額自腹か。それに私達、最終的にはオランダ アムステルダムから帰国の航空チケットだから、アムステルダムまで行けない場合は飛行機のチケットも取り直しだ。アムステルダム発の飛行機はテロ関係なく普通に動いていて私たちがそこに行けないだけだから、振り替えももちろんしてくれないだろうし。あれなんか旅行の手配も支払いも全部やり直しだやることいっぱいあるぞどうしよう、いやいやまずはこのテロの中パリでスーツケースごと放り出されたくはないからとにかく宿を確保せねば、なんで1日早くベルギーに行かなかったんだろう…と、心配事が沢山ありすぎてとりあえず何をすれば良いのかわからず。しかしとにかく、明日出国ができるのかどうか、それがわからなければ何もできません。

国境封鎖だとか戦争状態とか、日本のTwitterではおどろおどろしい言葉が並び。そしてそれに混じって、パリ旅行予定しているけど行って平気かな〜というつぶやき。今こんなに出国したいと願っているパリに、これから来たいという人がいるんだ、と妙な感じを受けつつ。そもそも国境封鎖ってなんだ。全く移動できないのか何なのか、まずはそこからです。しかし一体どこを調べればいいのか。外務省や空港、航空会社と色々サイトを見ましたが、パリのテロに関してはまだ何も出ておらず。

…いやそれ以前に、日本にいる人の情報見てもしょうがないよね?ということにようやく気付き、やっと英語で検索するということが頭に浮かぶ。ニュースサイトはテレビと同様現場の様子中心で、そんな国境やら出入国に関するものは何もなく。まぁそりゃそうだ。…というか、そもそも国境封鎖なんて言っていないような。それらしきサイトを探しましたが、英語でそんな情報は見つからず。国境の警備を強化する、というのを誤訳したのか?タリスや航空会社のホームページにも、特に何も書いておらず。深夜だしまだそんな情報が出る段階ではないのか。朝になったら各社動き出すのでしょうが、しかし私たちは明日9時過ぎにはチェックアウトしなければならない、なのである程度やることの目途をつけておきたい。

ミレニアム ホテル パリ オペラ

今リアルタイムで情報が更新されているのは、やはりテレビとTwitterです。しかしTwitterは嘘・デマもあるし…と、ふと思い立ってタリスの公式Twitterを探すと、ありました!さすが国際列車、英語・フランス語・オランダ語のアカウントが揃っています。公式ならデマはないだろう。この時間はさすがに更新していないものの、3アカウントとも日中は一般人からのリプライにもこまめに答えていて頼りになりそう。同じように心配している人が何人も今日の運航について問い合わせをしていたので、朝になってこの返信を見ればわかりそうです。デマが多い等いろいろ言われるTwitterですが、企業公式のアカウントに関しては頼りになりますね。

とりあえずタリスの運行についてのリアルタイムな状況はすぐ分りそう。そしてニュースを見ているとテロも一応制圧され、その後動きはないようです。とりあえずやったこと・やることを整理すると、

  • 大使館の場所を確認:とりあえず

  • 海外パケ・ホーダイの確認:ホテルを出た後も状況を調べるにはスマホが使えないとどうにもならないのですが、これまで海外では無料wifiしか使ってなかったので外でのスマホの使い方がわからない。調べたところ特に事前申し込みも不要でそのまま使えば良いようでした。さらに今は海外1dayパケとかいうのもあるのね。

  • タリスが動くか確認:明日(というか今日)起きたら、まずはTwitterで確認。ホテルの人にも聞いてみて、大丈夫なら予定通りパリ北駅へ向かう。ダメならまずはホテル確保。もしここ(ミレニアム ホテル パリ オペラ)がダメなら、近くにマリオットホテル等いくつかホテルがあったからそっちをあたる。

これだけ。あれこれ悩んだ割に、今できることとして浮かんだのは3つのみ。結局とりあえず朝になってタリスが動くかどうかわかるまでは何もできない、という事で、もう朝方になっていましたがもう一度寝ることにしました。荷物はチェックアウト用にまとめてあったので特にいじらず、念のためいつでも逃げられるように洋服に着替えて靴下も履いて寝ました。

今でも、この時どう対応するのが正解だったかなとか、もしタリスが動かなかったらとか考えるのですが、いい案は思いつかない。タリスが動かなかったら多分、一番早く動くであろう代替の輸送手段を探し大勢の人が詰めかける中交渉するスキルは私には無いので、お金には泣く泣く目をつぶってホテルで待機していると思います。

そしてあまり関係ないですが、途中で検索しすぎてフリーズするスマホ。買い換えたばかりで強制終了の仕方が分からず、電池パックが外せないタイプなので電源を落とすことすらできない。こんな時に唯一の頼りのスマホがダメになってしまった~!と10分ぐらい一人でキーッとなっていました。友人たたき起こしてスマホ出させて強制終了方法を検索すればよかっただけなので、やっぱりこの時はあまり冷静ではなかったのでしょう。友人はハプニングに弱いので、ちょっと悩みましたがこの時は特にテロについては知らせず、寝ぼけているのを良いことにとにかくスマホを出せ!とカツアゲのようにして奪う。ちなみに無事に検索して分かったXperia™ Z3の強制終了は、「電源ボタンと音量Upボタンを同時に約3秒間押す」でした。旅行にはやっぱり使い慣れた機器を持って行くようにしよう…。




11月14日 テロ翌日 出国


翌朝Twitterを見ると、タリスのアカウントが猛然と返信を打っており。心配して問い合わせた多くの人に、何の支障もなく通常通り運行、気をつけて旅を~、というようなことを大量に返信していました。遅延や減便もないなら、ほんとに大丈夫なんだ、とすごくホッとしました。ただ状況によって運行状況は刻一刻とかわるかもしれないので、タリスのツイッターはこまめにチェックしていました。そして相変わらす日本のツイッターでは、国境封鎖、パリにいる奴は出国できないぞ~と…。

取りあえずホテルの外の通りに出てみましたが、いつものきれいな並木道。人通りも有り。ただ、言えば出入りはできるもののホテルの入口は毎回ドアマンが鍵をかけていました。ちょっと外をのぞくだけのつもりだったのですが、閉められてしまったわ。でもその方が安全ですね。

さて、昨日買ったパンをもそもそと食べながら、ようやく起きた友人に、大規模なテロがあって死者が多数出たこと、タリスは動いているけどどうなるかわからないから、臨機応変に動く必要があることを伝えて、最終荷造りをし、チェックアウト。

タクシーから見たパリの街は、少し人通りが少ないものの、お店もあいていて思ったよりは通常に近く。不安を感じながら肩寄せ合って協力して、とりあえずはいつも通りの生活を送ろうとしている、なんとなく震災直後の都内に似た雰囲気でした。ただ後から聞いたところ、この日はどこのホテルも1日鍵をかけて宿泊者以外入れないようにしたり、閉めているお店も多かったりで、この日パリにいた旅行者で売店やレストランがあまりついていないホテルに泊まった人達は、行くところも食べるものもなく苦労したようです。怖いということだけでなく、そういう困難もあったのね。

パリ同時多発テロ パリ北駅

しかしパリ北駅方面は多くのお店が営業し、駅中のカフェも開いていました。ちょっと早めに着いたので、ここでコーヒーを飲みながらタリスの到着するホームナンバーが表示されるのを待つ。待ってる間に、やっぱタリス運行やめます、とかならないよね…?とホームをにらみつつ。

パリ同時多発テロ パリ北駅

案内板になかなか乗るタリスが表示されず、ここまで来てまさか…とやきもきしましたが無事表示。いつも表示は遅いようですが、ちょっとしたことでも心配になってしまいました。パリ北駅を利用したのはこれで4回目。なんとなく前回よりもみな静かに案内板を見上げて、静かに待っている気がしました。ただそれは前と時間帯が違うせいかもしれないし、私自身が緊張していただけかもしれない。全体としては特に緊迫した雰囲気もなく、いつも通り。

駅には沢山の警官が、固まりになって巡回していました。そのせいか、いつもはあんなにいたタクシーの強引な客引きの人達は今回全く見かけませんでした。警官は笑顔で談笑なんかもしており、思ったほど張り詰めた様子ではなく。

パリ同時多発テロ パリ北駅 警官


そして時折、迷彩服を着て自動小銃を持った軍人の姿も。この時は辺りにピリッとした空気が走った気が。自動小銃を見て、変な話ですが怖いという気持ちと安心する気持ちもあり。

タリスに乗り込む時に、前回されなかったチケットの事前チェックはあったものの、パスポートのチェック等は特に誰もされておらず。…国境封鎖とは一体何だったのか。列車がパリを離れたときは、本当にホッとしました。これでもう安心だ、と。そしてブリュッセルに着いて美しい街を観光して、浮かれてホテル帰ってきた後にホテルでテレビをつけ、テロの犯人がブリュッセルへ逃走、というニュースを見て再び目が飛び出るのですが、それはまぁ蛇足ですね。

もしかしたらホテルの人のなかには家族や知り合いが巻き込まれた人がいたかもしれない、テロの日の昼間、パリ北駅で助けてくれた日本語の堪能な女の子は無事かな、そんな事も思いあたりもできず、とにかくパリを出るまでは自分が無事に出国できるかどうかしか考えられませんでした。パリはとても美しく楽しい街で、思っていた以上に人も親切でしたが、名残を惜しむ余裕すらなく出国。

テロの時にパリにいた話をすると、これからパリ旅行行って大丈夫かなといったことを聞かれたりもする。今パリでテロに合う確率と、都内にいて交通事故に合う確率と比べたらどっちが上だよという感じだし、かといって大丈夫とは言えないので知らんとしか答えないのですが、ただ私自身は機会があればまたフランス行くつもりです。特にシャンティイは、今回行けなかった心残りのところもいろいろあるし、再訪したい。

エッフェル塔 パリ

こんな具合でパリ編は終了です。次はポアロさんの出身地ベルギーで1泊、短い滞在ですが美食の国でできる限り食い倒れてきました。


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