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【ドラマ】名探偵ポワロ『白昼の悪魔』 ― ポワロのスチーム蒸し いら草ジュース添え

『白昼の悪魔』

『エッジウェア卿の死』に引き続きまたまたこの話は大好きです。そして先週(メソポタミア殺人事件)に引き続き無理だろシリーズ。こっちはずいぶん力技トリックで。この辺に関する感想は原作感想時に書いていて、ドラマも犯行部分は大体の所原作と変わりないのでこちらでは犯行に関する感想は省きます。

犯行部分は変わらないものの、大きく変わったのがポワロの健康、そしてホテル。イギリスにある無人島を利用した、お金持ち御用達の隠れ家的高級リゾートホテルのはずが、ヘイスティングズのレストランのせいでヘルスホテルに設定変更w おかげであんな四角いので蒸されちゃって。四角い箱に丸い頭が乗っている様子は、なんか観光地の店先にある酒蒸しまんじゅうを思い出したわ。ちなみにあれにはマクイーワン版ドラマのミス・マープル『予告殺人』 でもミス・マープルが入って、こちらは満足げにホンワカしていました。とても気持ち良さそうなご様子だった。脂肪の層の厚さの違いだろうか…。

⇒関連エントリー:【ドラマ】ミス・マープル『予告殺人』 (アガサ・クリスティ原作)

あの乗り物で海渡りながらハンカチで口押さえて乗り物酔いしてそうな様子なのに、やたらワクワクしているので何かと思えば肉食っていた。それも常日頃「食事時は食べることに集中するべし」と食事中には事件の話は一切しないポワロ(ドラマでは尺の都合上よくしゃべりながら食べてるけど)とは思えないほど、がっついていた。あんなポワロさん見たことないよ。





ヘルスホテルになったせいで、客室も普段のポワロさんどころか一般のホテルとしても質素なつくりで、豪華な避暑地ロケを期待していたのでそこは残念だったもの、女性陣が美人揃いだった!服も水着も素敵だしで見ていて目が幸せな回。この話の元になった「砂に書かれた三角形」の時の感想でも書きましたが、この話はとても映像映えするんでしょうね。これも「砂に書かれた三角形」も、ピーター・ユスチノフがポアロ役をしている映画『地中海殺人事件』もどれも外れがないわ。ちなみに『地中海殺人事件』が一番原作っぽい隠れ家高級リゾートホテル気分を満喫できると思う、国が違うけど。

 ⇒関連エントリー:
【ドラマ】名探偵ポワロ『砂に書かれた三角形』 ―クリスティの旅行物は楽しい
【映画】『地中海殺人事件』(アガサ・クリスティ原作) ―女達の華麗なる戦いとケンタッキーポアロ

さて、服が縮んだと文句を言うポワロさんはこれで2回目。話が進むにつれて、徐々に徐々に巨体化しているw ドラマ版『誘拐された総理大臣』では採寸が間違っていると仕立屋に文句を言って返り討ちに合っていましたが、今回は標的はクリーニング店へ。クリーニング店は、第2話「ミューズ街の殺人事件」でミス・レモンが「襟の固さ、問題、主人激怒」と言っていた中国人のクリーニング店なのかな。それともそこはもう見限って他のお店をつかっているのかな。

あらすじはNHKオンラインより―

ポワロが静養で訪れた南海岸のリゾート。待ち受けていたのは、ビーチの死体だった!

医者に肥満を指摘され、食事療法のため南海岸にやって来たポワロ。ホテルにはジャーナリストのパトリック夫妻や女優アレーナの家族らが滞在していた。アレーナは奔放な女性で、パトリックとは互いに夫と妻がいながら、まるで恋人同士のように過ごしていた。災いを予測するポワロだったが、ついにアレーナが死体となって発見される。


原作感想はこちら⇒【本】ビーチリゾートに持っていくミステリー ―『白昼の悪魔』(アガサ・クリスティ)
アガサ・クリスティ作品感想一覧はこちら

以下ネタバレあり
鳥羽 タラソテラピー


先述のとおりこの話は、すでにドラマ化されている短編「砂に書かれた三角形」と被るところがあるのでどうするのかと思ったのですが、「あなたの庭はどんな庭?」と『もの言えぬ証人』の時と同様、被った前半をバッサリカットで対応。

原作冒頭はビーチで日光浴しているシーンから始まり、服からチラッと肌が覗く程度のチラリズムがお好きなポワロさんが、ああいう風に浜辺にうつ伏せになって何の恥じらいもなく肌をさらしてゴロンゴロン寝転ぶ人々にプリプリしながら、「あんなのはどれも個性のないただの肉体だ、まるで死体置き場に並べられた死体みたいだ」という他愛のない会話があり、それがなんと伏線だったよ、というのもこの話の面白い点だったので、ここが丸々カットされてしまったのは残念ではある。…あるものの、カットしてよかったかも。だってなんか今作のドラマの撮り方だと、パトリックが偽の死体発見時のカメラワークとかセリフとかわざとらしさ満点で、全然誤魔化せてなかったし!なんで顔うつさないの?なんでちょっとしか帽子めくらないの?なんでそんな説明的なセリフなの?お前犯人だろ!と。この調子で冒頭部分の会話も再現されたら、速攻伏線ってバレバレになりそう。反対に、アリーナが男を食い物にする女ではなくてアリーナが食い物にされる側、というのは原作では言われてみたらそうかな~程度でそこまでしっくりもこなかったのですが、ドラマの方は分かりやすくて良かった。

食中毒を肥満と診断した医師はずいぶん藪医者ですね。実は食中毒だったというのをヘイスティングズに気遣ってごまかしたってのは、最後だけなのよね?最初は肥満とみんな信じていたのよね?そうじゃなきゃミス・レモンがあんなホテル手配しないものね。ヘイスティングズはまた大損。わかっていたよ、ヘイスティングスの投資したレストランが、ポワロに祝福されるぐらい美味しい料理を出したままで終わるはずがないってことは。今作では途中ポワロに褒められたり、ヒントを与えたりで結構活躍していたから、まさかこのまま大成功で終わるんでは、とヒヤヒヤしたけどね!エッジウェア卿の事件の時に貰っていた大金の小切手は、また消えてしまったようです。

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