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【ドラマ】名探偵ポワロ『ナイルに死す』 : (ジョニデ+スネ夫)÷2+パンチ3回=ティム

『ナイルに死す』

これはwww 相当ドタバタ劇になっています。しかし面白い。あれだけの長さの作品をやるとなるとかなり駆け足で、情緒も1/10以下になってしまって様々な思い入れもすっ飛びました。もうね、原作感想で書いたしんみりポイントなんて何一つ出て来やしない!びっくりだよ。ですが、それでも面白かったですね~。原作感想時に書いたように個人的に好きな作品ナンバー1からは落ちたものの、やっぱ『ナイルに死す』の話は好きです。

とりあえずあらすじはNHKオンラインより―

ナイル河クルーズの客船内で新婚旅行中の女性が殺される。その後も次々と悲劇が…。

ナイル河畔のホテルで新婚旅行中の夫婦と出会ったポワロ。若く美しい妻のリネットは資産家で、夫のサイモンは妻の友人の元婚約者だった。その友人ジャクリーンが二人を追って現れた。どうやら行く先々つきまとって嫌がらせをしているらしい。ジャクリーンはリネットを憎む思いをポワロに打ち明ける。一行は、客船でナイル河クルーズに出発するが、ついに事件が起きる…。


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冒頭からベッドシーンですが、お色気シーンは原作でもそれなりにあるので(ナイルにはないけど)名探偵ポワロシリーズにあっても別におかしいとも世界観ぶち壊しとも全く思わないのですが、家族も見てるので止めてよね、そんな感想。

それはともかく、まずはとにかく映像が美しい…!ドラマ後半はほんと見ているだけでうっとりする映像。しかも女優さんたちが美人揃いです。中でもリネット役はエミリー・ブラント!『プラダを着た悪魔』のエミリーですね。ついでにレイス大佐役のジェームス・フォックスは同じくクリスティ作品のドラマ ミス・マープル『書斎の死体』のバントリー大佐。そして船の中の調度品も素敵。こういう旅行話の時に各部屋にある持ち物を見るのも大好きです。前にミス・マープルの感想でも書きましたが、革やガラス、木製の雰囲気ある物ばかりで、まだ安っぽいプラスチックとかがなくて見ていてとても憧れます。来年のクルーズ旅行の時の参考にしたいわ…と思いつつ、自分ではなかなか、特に旅行時には利便性重視になってしまうためこんな素敵な旅行スタイルはできません。化粧品とか基本試供品のパウチばかり持って行くし、優雅さのかけらもないよ。


⇒原作感想はこちら:【本】『ナイルに死す』 (アガサ・クリスティ/ポアロ) ― 一番好きな話だったけれども
アガサ・クリスティ作品感想一覧はこちら

以下ネタバレあり

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しかし優雅な映像の一方で、尺が足りなく駆け足にしたのに合わせてか何なのか、登場人物がやたらハイテンソーン!すぐ大声は出すわヒスは起こすわ、コーネリアに至ってはお前は一人早送りでもしているのか?状態。登場人物全体的に2ピッチぐらい上げた感じに変わっていますが、中でも変わったのがティム・アラートン。なんか酷いことになってるw なんだあのスネ夫とジョニー・デップ足して3回ぐらい殴ったような男は。

原作でも多少マザコンの気はあったもののあれほどではなく。自分が仕事ができないのを世の中のせいにして、斜に構えてなんでも批判すりゃいいと思ってるプライドの高い能無し男の印象でしたが、ドラマではママチュッチュッの完全なるマザコン男に。

そのせいで完全に割を食ったのがロザリー。ママンに負けとる…。原作でかなり印象的だったロザリーのエピソードはごっそりカット。原作では最後ロザリーとティムは婚約します。ロザリーは、人格者のティム母にあんな人が母親だったらと憧れながらも、なんでも二言目にはセックスセックスのアル中母親を必死でかばい続け、そして母親が殺され嘆くロザリーをポワロはティム母に託します。そして真珠のシーンではティムの方からプロポーズし、ティム母とは親子関係に、という報われ感のあるエピソード…のはずだったのに。コーネリア&ドクターの件もあるから違いを出したんだろうか。一番の苦労人を一番かわいそうな役回りにするなんて。そういえば、母親殺された後なんのフォローも無かったね。

コーネリア&ドクターと言えば、ドラマだとすんごい唐突なカップル誕生ですが、原作には叔母の付きそいにもう一人看護婦が付いてきていて、サイモンが撃たれた時にその看護婦がジャクリーンの付き添いに、サイモンの治療のヘルプは血を見てグロッキーになってるファンソープ(このヘタレ男もドラマではカット)の替わりにコーネリアがてきぱきとこなしています。この辺のなれそめと、叔母の病的な盗癖の相談にのるあたりで見染めたのでしょう。決してふくよかなバデーにだけつられたのでは無い、と思いたい。ドラマでは撃たれる前の船室のシーンの目撃者がファンソープではなくファーガスンになって、しかもコーネリアの話にめっちゃ喰いついていたので、なんとなくファーガスンとコーネリアがくっつきそうでしたけどね。

最後のインパクトあるサイモンの「すびま゛せ~ん゛」はドラマオリジナルw 途中まであらイケメンとか思ってたのに、めっちゃかっこ悪いよ\(^o^)/ 原作ではポアロによる種明かしはレイス大佐、コーネリア、医師の3人の前でされて、「さてサイモンに話をしにいきましょうかね」というところで場面は変わり、ジャクリーンとポワロのシーンへ。ジャクリーンの口から「あなた(=ポアロ)がサイモンにいきなりとびついたもんだからすっかり気が顚倒して何もかも認めてしまった」と語られるのみです。この最後のジャクリーンとポワロ2人の、ひっそりとした打ち明け話のような対話シーンは原作で一番お気に入りの場面でしたが、ドラマではやたら晴れ晴れとしてましたな。失敗しちゃった☆的な。全体的に皆感情の起伏が激しい。そして全体的にそりゃないよ!な改変になって情緒も何もない娯楽ドラマなっていますが、それでもなぜか面白かったですね~。我ながらお前は旅行物なら何でもいいのか、という気もしなくもないですが、まあ良いです。今回もとても楽しみました。


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