旅行鞄にクリスティ

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【ドラマ】ミス・マープル『青いゼラニウム』(アガサ・クリスティ原作) ―村人は皆悪を隠し持っている



『青いゼラニウム』

制作:2010年(イギリス) 
ミス・マープル:ジュリア・マッケンジー版 

『ミス・マープルと13の謎』(ハヤカワ文庫では『火曜クラブ』)の中の一遍、『青いゼラニウム』を映像化したものです。もとはシンプルな短編ですが、登場人物もエピソードも大幅に加えられた約90分のドラマになっています。原作まんまじゃ即効終わってしまうので、これはこれで面白かったかな。登場人物同士何となく似ているように見える人もいて、紛らわしかった点はあったものの、映像も曇ったイギリスの村も綺麗でした。

ヘスター役のジョアンナ・ペイジがかわいかった。あとはヘイゼルの後半の方のファッションも良い。メアリー・プリチャードの死体は思ったより血がドバーでちょっと引いてしまいましたが。牧師さん「私の魅力を総動員すれば、もしかしたら気がかわるかと…」にはまじめなシーン(だったのよね?)なのに笑ってしまいました。牧師さん、あなたその容姿でいい年こいて…w

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メアリー・プリチャードは確かに嫌なやつでしたけど、そこにお金を借りようと来る(さらには、ずうずうしくも貰おうとする)人たちの方が、断られて逆切れしていてよっぽど性悪に見えました。恵んでもらう方なんだから、もっと謙虚に頼み込めよ、と。案の定貰えなかったし…。これは寄付やノブリス・オブリージュの精神のある西欧なら普通なんですかね?

原作だと、”メアリー・プリチャードは死を宣告された後はいままでの大騒ぎが嘘のように死を厳粛に受け入れたような態度をしていて、そういう立場にある自分をある意味楽しんでいた”という描写がある。皆が言うことをきいてくれる「病気の自分」が大好き、不幸な自分が大好きな、いかにも詐病の人という描写でわりと気に入っていたのだけど、ドラマでは心底おびえて取り乱してましたね。まあ詐病というより…なのでしかたないかな。ジョージ・プリチャードの最後はなんか納得いかないわ。同情できないし。



全体的に善人のいないドラマに仕上がっているので、曇天のせいもあり暗い雰囲気です。でもまあオリジナル展開も含め普通に楽しめました。

 
       
 
         
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