旅行鞄にクリスティ

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【ドラマ】ミス・マープル『パディントン発4時50分』 ―スーパー家政婦ルーシーが映像に(アガサ・クリスティ原作) ネタバレなし


『パディントン発4時50分』

ミス・マープル:ジョーン・ヒクソン
製作:1987年 

原作で好きな話なので、見るのを楽しみにしていました。ラザフォード版があんなだったので(いやあれもかなり好きですが)、お口直しにBBC版ジョーン・ヒクソンのマープルを。こちらは原作に忠実です。

ミス・マープルの家を訪ねにパディントン発4時50分の急行列車に乗ったミセス・マクギリカディ。居眠りから目を覚ますと、列車は平行して同方向に走る各駅列車に接近し、ゆっくりと追い抜いていこうとしていた。夜の闇の中明るい窓越しに間近に見える各駅列車のボックス席、そこでは今まさに女が絞め殺されそうになっていた。すぐさま車掌と警察に知らせるも、死体は見つからず。この列車の中から誰にも見られず死体を隠すとしたら、クラッケンソープ家のラザフォード邸であろうと推理したミス・マープルは、スーパー家政婦ルーシー・アイレスバロウを死体探しに潜り込ませる。

 ⇒マクイーワン版『パディントン発4時50分』視聴感想はこちら
 ⇒衝撃のラザフォード版パディントン『夜行特急の殺人』の感想はこちら参照
 ⇒原作『パディントン発4時50分』読書感想はこちら参照
 ⇒アガサ・クリスティ 作品・感想一覧はこちら

シャンティイ城


寂れたラザフォード邸と、納屋の中にあるルーサー・クラッケンソープの悪趣味な置物達。豪華な家具の華麗なるお屋敷もいいですけど、たまにはこういう不気味なお屋敷も良い。最初見た時、ルーシーが想像よりも男顔でイカツイな、髪型もちょいおばさんぽいと思ったのですが、見ているうちに慣れる程度でおおむね期待通り、角度によってはとても美人さんでしたし、黒服で給仕をしているシーンは色っぽかった。そりゃ兄弟皆惚れますわ。ミセス・マクギリカディはイメージどおりだった。

そしてルーシーがパントリーを徹底的にきれいにするシーン。あれを見ると掃除しなきゃ!と思います。家にもルーシー来て~。ここでは横一列にお皿を立てて、見せる収納をしているのだけれど、広い台所のある地震のない国ならではですよね。でも誰かがよろけて食器棚にぶつかったら大破しそうだけど…、と思ってしまうのは庶民ゆえか。きれいになった調理台に用意されたお茶のお菓子も素敵。古くて大きな、時代物の台所。映像で見たかったのでよかった。この作品はお屋敷やら調度品、料理に食器等の、時代がかった小物類も楽しみの一つ。



さらにこの作品ではミス・マープルの家の中が見られます。暖炉があって、花柄のソファーに花柄のランプシェード、女性らしく感じのよくこれ見よがしでない家具がミス・マープルらしかった。そして思っていたより家が広かった。残念だった小物類は、クラシックカー。扉の開き方が後ろあきのタイプのが多くて、ちょっとがっかり。車には詳しくないのですが、扉が前開き(スーサイドドア?)で車輪のあたりがにょーんとしているクラシックカーが好きです。あれは時代が違うのかな?

原作では明言されていないのでたびたび議論になる最後にルーシーの選んだ相手、このドラマでははっきり選ばせていました。原作読時の私の想像とは違う相手ですが、このドラマの筋書きにおいてはなぜ彼を選んだかが納得できるので、これはこれでいい感じ。自分がいなきゃと思わせる相手を選んだんですね。もう一方のお相手は、ルーシーが惹かれる素振りをしていたのすら”やめてー”と思ってしまうほど魅力減の強引なおっさんぽい描かれ方をしていたので、最初から勝負ありの感じでした。クラドック警部は出て来すらしませんでした。そのかわりスラック警部が居た。そしてあいかわらずミス・マープルをみると嫌そうな顔をしていたw



マープルものは「人は皆似たりよったり」というマープルの持論から犯人をセント・メアリー・ミードの村人の類型へ当てはめて犯人を割り出すので、決定的な証拠が無いことが多い。そのため捕まえるのは犯人の自供頼み。今回も上手く犯人が自爆してくれたので一件落着ですが、推理物としては少々弱いかな~。

でも大好きな話がイメージ通り再現されていて、お気に入りの作品です。

私がしなさいって言ったことを、しちゃうかしら? ―ルーシー・アイレスバロウ



 
 
       
 
         
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