オリエント急行でティータイムしてきました@箱根ラリック美術館LE TRAIN(ル・トラン)
※当ブログはプロモーションを含みます

いつかオリエント急行にのって旅がしたい、というのは多くのアガサ・クリスティファンの夢見ることでありましょう。本物のオリエント急行は残念ながら運行を終えてしまったようですが、その復元バージョンでいいので、それに乗ってヨーロッパを横断したい…。しかししかしそこは「レールの宮殿」「列車の貴婦人」と称された豪華寝台列車、お値段もそりゃもう豪華なもので夢のまた夢。宿泊なんて贅沢なことは言わないから、ほんのちょっと乗り込むだけでも、いややっぱりお茶もしてみたい…
そんな終わりなき欲望に生まれついたポアロファンの雲をつかむ夢を、このたび叶えてきましたのよホホホホ

箱根で!
箱根ラリック美術館
オリエント急行でティータイム、というポアロファン殺しの時間が過ごせるのは、箱根ラリック美術館。「箱根湯本駅」よりバスで約30分程の仙石原にあって、ほぼルネ・ラリックの作品のみ230点あまりを展示しています。ルネ・ラリックは19世紀~20世紀のフランスのガラス工芸家・宝飾デザイナーで、豪華列車オリエント急行「コート・ダジュール号」の内装は彼が手掛けたもの。そして美術館に展示されているのは、レプリカではなく実際に運行していた本物の車両です。そんな芸術品の中に入り、実際に座り、実際にお茶ができる場所が、なぜか箱根に!

箱根にオリエント急行があってティータイムができるらしい、というのはずっと前からきいていたものの、場所がちょっと離れた場所にあったのと、箱根の美術館というとどうしてもガラスの森や星の王子様の方がメジャーだし、展示がラリックのみだとそれに興味のない人は誘いづらい、という点がネックでなかなか行く機会に恵まれず。今回箱根でどっぷりとアンティークな雰囲気に浸るぞと富士屋ホテルとオリエント急行をメインの目的に据えて来た旅で、やっと訪問することができました。そうそう、旅行記の時系列がおかしくなっていますが、ちょうどオリエント急行の再放送があるのでそれに合わせてこっちを先にアップしてしまいます。

緑の多い敷地内、この小道の先に美術館が。館内は残念ながら写真撮影禁止なのですが、宝飾品にガラス細工、調度品に食器に噴水に至るまで、230点のそれはそれは美しい芸術品が展示されています。さほど大きな美術館ではありませんが、見ごたえたっぷり。
もう、名探偵ポワロに映る調度品が好きな人なら、いるだけでふぁああ~ってなるよ。ちなみに、今
それはさておき、敷地内には2つのレストランがあります。パリ郊外の明るいレストランをイメージしたのLYS(リス)も、でこれ目当てに来る人がいるような爽やかな雰囲気がとっても魅力的で。

私が行ったのが丁度お昼時だったのもあり、こっちでお昼食べないかね、という白昼の悪魔の囁きに心乱されかけたのですが、しかししかし私のお目当てはもちろん、オリエント急行のサロンカーでティータイムが楽しめるティーサロン LE TRAIN(ル・トラン)。サロンカーに入るのは予約制です。電話予約は受け付けておらず、当日行って、入り口で予約します。

料金は2100円、40分の入れ替え制。メニューは飲み物とデザートのセットのみ。デザートはその時期によって違いはあるものの1種類のみ。なのでぴったり同じ大きさのゆで卵2つなんかは頼めません。飲み物は珈琲、紅茶、そして第三の選択肢はハーブティー。
ちなみに美術館には入らず(つまり美術館の入場料は要らず)ル・トランだけの利用もできます。つまりオリエント急行に乗ってお茶を頂くという夢が、なんとお値段わずか2,100円で!
…ということで、長年の夢をかなえてきましたよ!
オリエント急行でティータイムを
さてラリック美術館に行ったのは旅行の2日目、フジヤ・ホテルにて大正浪漫な一時をギリギリまで満喫しチェックアウトした後、宮ノ下発11時50分(←嘘)のバスで美術館へ向かいます。15分ほどで到着、着いたらすぐ、入り口入って左にあるLE TRAINで予約を。当日予約しかできず、ここのティータイムがメインでラリック美術館に来たようなものなので予約が取れなかったらどうしようかとちょっと心配でしたが、この日は平日12時前に来て各回全部空きがありました。

乗車券なのがいいですな。美術館も見たいので13時の回を予約。この時に飲み物もオーダーします。私は普段コーヒー派ですが、この時はもちろんブラック・コーヒー ではなく紅茶で!ここですでにチラッとオリエント急行の紺色の車両が見えるのですが、見てしまっては楽しみが薄れるわいけないいけない、とあまり見ないようにする。なお、”座席が狭いので、入る前に大きな荷物はロッカーに預けてくるように”とのこと(100円で出すときに戻ってくるタイプのロッカーがあります)。
さて、時間まで1時間ほどあるので、ポケットに乗車券を詰めて美術館内を見て回ります。そんなに大きくないので余裕かなとのんびり見ていたら結局周りきれず、2階の部屋をあと少し残してとりあえず10分前ぐらいに戻ってくる(美術館は再入場できます)。時間ちょっと前に名前が呼ばれ、中に入ると―


いや~ん、これ、映画で見たことある、ドラマで見たことあるう~。列車なのにあふれ出る高級感。こんなんがそこら辺を走っていたとは。
予約時間前に車両の前のところにあるスペースで、ラリックについての解説映像を見ます。なんかこの白くてスクエアな空間、ポワロのドラマに出て来そうね。

ル・トランの車両は、初めはパリから南仏へ向かう特急列車コート・ダジュール号として運行していましたがやがて運行休止に、その後オリエント急行の路線で復帰を果たし、2001年にカーテンを下ろしたのち2004年4月に箱根にやってきた、とのこと。
映像を見終わったら、いよいよ乗車です。乗るのは映像を見ていた前側からではなく、いったん階段を下りて裏に回って乗り込みます。運命の裏木戸、オープン!

ああもう、オリエント急行の映画やドラマで見たマホガニーの重厚な内装が目の前に、どころではなくその中に私がいるのね…!そして細い通路の先には―

もうね、「これ…!これ…!見たことある…!見たことあるよこれ…!!!」みたいな言葉しか、出てこないw 語彙力のなさと感動で、すっかりもの言えぬ変人に。
専属クルーの方に案内された座席には、既にティーセットが用意されており。

この時期のケーキは、アールグレイにレモンなどの香りを合わせたレディグレイのシフォンケーキ。座席に座ってメニューの説明を聞いたら、まずは早速ティータイム。その後オリエント急行の解説をしてくれるとのこと。
大きなソファは、しっかり包み込まれるような座り心地。ただテーブルと椅子の間はせまいので、確かに大きな荷物はロッカーに預けておいたほうがいいですね。

ワンピース:コントワー・デ・コトニエ
この青色の服の女は私です。この日はせっかくオリエント急行に乗るならお嬢様ごっこをしたいでしょう?という安易な理由でお気に入りのプリントワンピース
お茶を注いだら、クリームをつけて、いただきます。

といいつつ車内がいろいろ気になって、食べるのもそこそこにして席を離れ、写真を撮る。そんなことしてたら専属クルー登場。この紺列車の秘密を解説してくれます。

この↓ガラスパネルはバッカスと葡萄をモチーフにした作品で、男女3人で一組のパネルが色々な所に飾られているのですが、ちょっとずつポーズが異なっている。そして全面艶消しっぽく見えるけれども、よく見ると手の先等が透明になっているのだそう。

車両内には150枚以上のガラスパネルが貼りめぐらされています。

そしてこの座り心地の良い椅子は外から運んできたのではなく列車の中で組み立てて設置したので、出入り口からは出せないとのこと。その他ランプやティーカップについての解説も聞いた気がしますが右から左に抜けてしまった。だってあまりに興奮していたんだもの。


ちなみに内装は、ほぼ走行当時のままで手を加えておらず。



…となるといずれは乗れなく時がくるのだろうか。どのパネルも横にひび割れてもいないけれども、そのうちに展示のみか、改装してティーサロンを続けるか、いずれにしても今の形では続けられなくなるでしょう。走行当時の内装でお茶かできる今のうちにぜひ乗っておきたいところ。

そんなことを考えながら夢の空間に浸りつつバシバシ写真を撮りまくっていたら、”もうそろそろお時間です”という残酷な宣言と共に夢からさめねばならない時が。残してなるものか、と全く食べる時間が足りなかったシフォンケーキを、カップの中のクリームをかき集めつつほぼ数口で押し込んだわ。あれ、思い描いていたオリエント急行でのティータイムと違うw でもそれぐらい満喫しました。

帰り際には、壁にアルバート・フィニーがポワロ役を演じた映画『オリエント急行殺人事件』でも何回も写っていた花束のパネルのある、ラリックの娘がデザインしたという個室を見ながらお別れ。


そして誰もいなくなった。40分はあっという間だったな~。名残惜しい。またここに来たい、また絶対来よう。
オリエント急行に乗ってティータイムを終えて、その後は美術館に戻って展示の続きを見に。そしてモネの「睡蓮」みたいなお庭の見れる、陽だまり溢れる素敵な部屋があってそこで休んだり、ショップで可愛いお土産を探したりと、結局私たちはこの美術館で3時間以上過ごし。おそらく展示品をサッと見てオリエント急行でお茶するなら2時間あれば平気ではないかな。でもラリック美術館はちょっと離れたところにあるせいかそこまで人もいなくて静かにみられるんですよ。緑と穏やかな陽光のふり注ぐ空間をゆったりと満喫するのもおすすめです。アガサ・クリスティやポワロファンの方、または20世紀初頭や大正時代の雰囲気が好きな方は、ぜひ箱根ラリック美術館に来てル・トランでティータイムを―
…と言いたいところですが、実は今はル・トランでお茶はできなくなっています。
特別企画展中の為ティータイムはお休み
私が行ったのはお茶を提供していた最終日ぎりぎり。行く数日前に気が付いて危ないところでした。なんでお茶が出来なくなっているかというと、「夏季〜秋季企画展 オリエント急行の旅 豪華列車が旅した南フランス」という企画をやっていて、期間中はティータイムをお休みし入館チケットのみでオリエント急行車内を自由に見学できるようになっているからです! ”豪華列車オリエント急行「コート・ダジュール号」の旅に焦点をあて、主要な停車駅の名産や風土にまつわるルネ・ラリックの作品をご紹介”とあるので、オリエント急行をじっくり堪能したい人にはうってつけの企画。
ル・トラン(ティータイム付き)だと2,100円(+美術館も見るなら入館料通常大人1,500円も)だったのが、入館料のみでル・トランも美術館も入れるわけで、特にル・トランと美術館両方入りたい人にはこの期間はかなり安く入れる。ただしル・トランでティータイムなし…つまりオリエント急行でお茶ができない!ここは悩ましいですね。

私はやはりオリエント急行でのお食事シーンにかなり憧れていた口なので(たとえ箱根だろうとも!)、ティータイムをやっている時がおすすめかな~。ティータイム休止:期間中 11月26日(日)迄とのことで、結構長くお休みになっています。予定は変わるかもしれないので、お茶目当てで行く方はHPでチェックするのをお忘れなく。せっかく箱根までオリエント急行でのティータイム目当てに行ったらやってなかったモンデュー!的な愚者のあやまちをおかしたら、悔やんでもくやみきれませんぞモナミ。
follow me♪


【関連エントリー】
貴婦人のハンカチでアガサ・クリスティごっこを ―近沢レースのレースミニタオルハンカチ
富士屋ホテルとオリエント急行でタイムトラベルしてきました【アンティークで大正浪漫な箱根旅行記】
憧れのクラシックホテル、富士屋ホテルの花御殿ジュニアスイート宿泊編
【ドラマ】『オリエント急行の殺人』、そしてドラマ「名探偵ポワロ」シリーズ全体の感想
【本】『オリエント急行の殺人(オリエント急行殺人事件)』-探偵側で、犯人側で








- 関連記事
-
-
英国アンバサダーアワードでイギリス大使館へ行ってきました & 『名探偵ポワロ』の再放送希望の効果的な出し方について
-
早川書房の期間限定「カフェ・オリエント急行の殺人」に行ってきました
-
アガサ・クリスティーの電子書籍が半額になっています&早川書房で「カフェ・オリエント急行の殺人」オープン中
-
オリエント急行でティータイムしてきました@箱根ラリック美術館LE TRAIN(ル・トラン) *現在閲覧中*
-
【ドラマ】名探偵ポワロ『三幕の殺人』 ―舞台的演出が良い
-
【ドラマ】名探偵ポワロ『第三の女』 ―オースティン・パワーズな孔雀デイビットが見たかった
-
【ドラマ】名探偵ポワロ『鳩のなかの猫』―鳩のなかの猫が犯人、鳩の中のペンギンはポワロ
-