箱根富士屋ホテルの館内ご案内ツアーとホテルの見どころ【アンティークで大正浪漫な箱根旅行記】

さて、大分旅行記が終わったので、今更ながらやっと途中になっていた箱根旅行の続きです。ホテルについてはこれがラスト。宿泊したのはずっと憧れだった宮ノ下の富士屋ホテルの花御殿で、その富士屋ホテルでは、毎日宿泊者限定の館内ツアーを開催しています。
この時は両親との旅行で、体力を考えて観光は控えてホテルでゆったり過ごすことをメインにし1日目は何も予定を入れていなかったため、観光替わりにこの館内ツアーに参加してみました。
富士屋ホテルの館内ご案内ツアーについて
富士屋ホテルの館内ご案内ツアーとはどんなものか、公式HPによると―
富士屋ホテルの歴史を身近に感じていただこうと、ホテルスタッフが様々な場所にある歴史や裏話をお話させていただきながら館内を巡る「館内案内ツアー」を開催しております。
日によって違う、館内のいくつかの施設をご案内させていただきます。
ということで、ホテルスタッフにいよるお手製ツアーです。日~金曜日の16:00から、30分程度行われ、ただし土曜、休前日はお休み。
参加費は無料ですが、参加できるのは宿泊者限定です。
予約:不要
参加費:無料
実際に参加してみた
事前申し込みは不要とのことで、チェックインして客室に案内してもらう時にツアーのことを聞いて、集合場所を教えてもらいました。集合場所も日によって違うのかな。私達が参加したときは、宿泊している花御殿の、地下にある礼拝堂。

ガイドをしてくれるのはホテルスタッフさんとのことですが、とても話がお上手。普段はどの部署でお仕事されているのだろう…。

今では日本を代表する屈指のクラシックホテルとなっている富士屋ホテルですが、開業してからずっと順風満帆というわけではなかったようです。そこらへんの当時の苦節やら、変わり者で型破りな人物だった3代目のことを、面白おかしく話してもらったあとは、場所を移動しあの素敵なプールを横目に通り過ぎながら

地下にある史料展示室へ。ここでは130余年にわたるホテルの歴史を語る、様々な写真や調度品が展示されています。

ちなみに、ここは入場無料なのでツアーに参加しなくても自由にはいれます。でもツアーだといろいろ解説してもらえる。昔のタイプライターや電話、よく泊まっていたジョン・レノンとオノ・ヨーコの写真なんかも展示されています。


これが3代目。ひげがトレードマーク&ご自慢だったとか。まるでどこぞの探偵のようですね。この3代目、ひげ好きが高じて万国髭倶楽部なるものを作ってしまうという、ポアロさんも真っ青の髭マニア。

赤毛倶楽部か!?とついそんな秘密結社か犯罪組織を思い浮かべてしまうような名前の倶楽部ですが、別にひげ自慢をしていただけでなく、国際交流の手段の一つだったようです。
入会条件は最低2インチ(約5センチ)以上の髭があること。10ヶ国43名が登録していたそう。世界の名だたる名士になるには、立派なひげは必須ということか。
その他、菊の御紋の盃等、富士屋ホテルらしい展示も。

ちなみに富士屋ホテルの旧御用邸である「菊華荘」は今は一般の人でも人数限定で食事・宿泊ができるようになっていて、朝食をとってきたのでそちらの記事もご参考まで。
富士屋ホテルの旧御用邸「菊華荘」での朝食【アンティークで大正浪漫な箱根旅行記】 - 関東・甲信越JTB満足度85点以上の宿
大分間が空いてしまいましたが箱根旅行の続き。富士屋ホテルでは朝食を食べられる場所が2つあります。昨晩夕食を食べたメインダイニングルーム「ザ・フジヤ」に―カジュアルなグリル「ウイステリア」、そしてこの旧御用邸「菊華荘」です。ここでの食事を非常に楽しみに、富士屋ホテルに泊まりました。富士屋ホテルの菊華荘菊華荘は、名前からわかるように旧御用邸です。明治28年...
さて、花御殿を出てずいずいと赤じゅうたんの廊下を通って本館に向かう道すがらには、華御殿の初代のルームキーが飾られています。花御殿は部屋番号の代わりに、43室すべてに異なる花の名前が付けられていて、鍵には三井萬里氏による鮮やかな花の絵が描かれた素敵な絵札がついているのです。

今↓のものよりもさらに一回り大きい。

このルームキーを使いたいがために、花御殿に泊まったといっても過言ではないかもしれない。このルームキーは花御殿宿泊者のシンボルです。ちなみに部屋の中も、部屋の名前になっている花の絵や模様が描かれた調度品で飾られているんですよ。詳しくは客室編へ。
憧れのクラシックホテル、富士屋ホテルの花御殿ジュニアスイート宿泊編【アンティークで大正浪漫な箱根旅行記】 - 関東・甲信越JTB満足度85点以上の宿
はつ花でせいろ蕎麦を食べた後は、この箱根旅行のメインでもある前から泊まってみたかった富士屋ホテルの花御殿にチェックイン。年をとってきた両親との旅行の為、あまり観光に歩き回らずホテルにいること自体が楽しめるような、雰囲気の良いクラシックホテルに泊まろうということで、客室もジュニアスイートにしました。日本を代表するクラッシックホテル 富士屋ホテル富士屋ホテルは明治11年(1878年)創業の日本を代表するクラ...
さらに廊下を進み本館の奥にあるのは、富士屋ホテルメインダイニングルーム「ザ・フジヤ」。夕食の会場です。

フレンチのレストランですが、日よけには御簾がかけられたり、格子の天井があったりと、かなり和な雰囲気を漂わせる設え。ここは日光東照宮本殿をモデルに建てられたとのこと。


高山植物や花鳥が描かれた見ごたえのある格天井。そして足元に目を向けると―

顔w 柱の下には、3代目の顔が彫刻されており。自分がいない時でもスタッフがきちんと仕事をするように、ということで、じっと厳しい顔で見張っている顔を彫刻させたとのこと。
客としてはありがたいと思うべきか…、しかしこの方の下で働くのは大変だったでしょうなと社会人としては思ってしまうわw 剛腕の名物社長となると、やっぱりちょっと変わっている人が多いのね。
実際のディナーの時はこんな感じ。濃厚な、クラシカルな雰囲気がとっても素敵なレストランです。

富士屋ホテル「ザ・フジヤ」でのフレンチディナー【アンティークで大正浪漫な箱根旅行記】 - 関東・甲信越JTB満足度85点以上の宿
箱根旅行で宿泊した富士屋ホテルには、いくつかレストランがあります。皇室の宮ノ下御用邸として造営された由緒ある純日本建築「菊華荘」での会席、そして気楽に食事を楽しめるカジュアルな「ウイステリア」での洋食など。しかしやはり夕食はメインダイニングルームでとりたい、ということで「ザ・フジヤ」でフレンチのコースに...
ツアーは以上。施設内の使用具合によって内容は毎日異なるようですが、ジョン・レノンが泊ったスイートルームが見られたりする時もあるようです。どこが見られるかは、参加してのお楽しみ。
その他の富士屋ホテルのみどころ
さて、ツアーではまわっていませんが、この歴史あるクラシックホテルには、まだまだ見どころが。
野性味ある富士屋ホテルの庭
まずはホテルの裏側に、斜面に沿って見事なお庭が広がっています。広さは5000坪程あり、15~20分程でまわれる散策コース。斜面に沿って、ということは基本ずっと階段登っているので、高いヒールだと大変そう。

昔ながらの水車小屋や―

小さなイングリッシュガーデン

ワンピース:コントワー・デ・コトニエ(Comptoir des Cotonniers)

温室では、実際に育てている植物を購入できるようで、値札がついていました。

庭園の最上部には屋外プールがあったのですが、私が行った時(5月)は季節外だったのでもちろん営業しておらず。
ホテルを見下ろす高台には鐘があって―

きれいな鐘の音が響き渡ります。多分結婚式かなんかでも使われたりするんでしょうね。

基本坂か階段なので、ぐるっと回るとちょっとした運動に。高級ホテルやらクラシックホテルの庭というと、日本庭園やら整然と手入れされた洋風ガーデンを思い浮かべますが、ここは予想外に箱根の自然をいかした野性味の残る庭で。
緑いっぱいの斜面を上り下りするという、なかなか他のホテルでは味わえない素敵なお庭でした。
館内のその他みどころ
さて、宿泊した花御殿やプール、旧御用邸「菊華荘」については別記事を参照してもらうとして、これまでの宿泊記では紹介できなかった見どころを、最後にまとめてご紹介。
まずはフロントやダイニング等のある本館から。フロント入ってすぐに広がるのは、飴色に磨かれた大階段。

この横には、源頼朝が富士の巻狩りを興じる様子を描いた見事な一枚板の大きな彫刻があって、さらにその横の柱には白い尾長鶏の彫刻があるのですが、ちょっと人が映ってしまっているので写真は控えます。ホテルにいったら是非見てみてください。
この白い鳥のモデルはホテルで実際に買われていた鶏で、あのヘレンケラーが来館した際に写真に納まったこともある富士屋ホテルの人気者だったとか。

本館には、有名なコンソメスープやカレー、パンやお土産を売っているショップや、古い時代のムードたっぷりなティーラウンジ、

そしてゆっくり寛げるマジックルーム(ロビーみたいなもの)があります。

かつては本当にマジックが披露されていたとか。ライティングデスクも時代の雰囲気たっぷり。

手紙なんてもう何年も書いていませんが、こういうの見ると書きたくなりますね。

本館と花御殿の間には西洋館があります。予約する時に、花御殿にするか西洋館にするかで結構迷いました。西洋館はバスタブが猫脚なんだとか! 猫脚のバスタブには、無条件に女性を引き付ける何かがあるよねw


西洋館は廊下を通り抜けただけで部屋の内装までは分らなかったのですが、同じアンティークな建物でも、重厚な他の館とは違って淡くくすんだ白く明るい雰囲気があって、廊下を通るだけでも素敵でした。

消火栓。ちょっと脇に何げなくあるものまで素敵に見えてしまう。
そんな具合でチェックアウトギリギリまで富士屋ホテルを満喫。その後はラリック美術館へいって、オリエント急行に乗ってティータイムというこれまたアンティークな世界を満喫し、最後に箱根湯元の直吉で湯葉丼と湯葉ぜんざいを食べて―

お土産に湯もちを買って箱根旅行は終了。

箱根と20世紀初頭の時代にどっぷりと浸かってきた旅でした。
【宮ノ下温泉 富士屋ホテル】
〒250-0404 神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359










- 関連記事
-
-
レトロな旧軽井沢で半日レンタサイクルして洋館巡り【大正浪漫なアンティーク旅】
-
パークホテル東京の特別な一室「THANN CASA」で都会と自然が混ざり合ったタンの世界感を堪能する@汐留
-
5・6月の箱根旅行の気候・ファッションについて ― 富士屋ホテルのドレスコードと実際の宿泊者の服装は?【アンティークで大正浪漫な箱根旅行記】
-
箱根富士屋ホテルの館内ご案内ツアーとホテルの見どころ【アンティークで大正浪漫な箱根旅行記】 *現在閲覧中*
-
富士屋ホテルの旧御用邸「菊華荘」での朝食【アンティークで大正浪漫な箱根旅行記】
-
富士屋ホテル「ザ・フジヤ」でのフレンチディナー【アンティークで大正浪漫な箱根旅行記】
-
箱根富士屋ホテルの温泉プールで日本初のホテルの室内プールを満喫する【アンティークで大正浪漫な箱根旅行記】
-