旅行鞄にクリスティ

日々のあれこれを忘れ、手の届く贅沢で自分を甘やかし明日への活力を養うブログです。バッグにアガサ・クリスティを詰めて行く海外旅行が最大のご褒美。


【ドラマ】ミス・マープル『書斎の死体』 ―いらん改悪再び(アガサ・クリスティ原作)



『書斎の死体』
発表:2004年 
ミス・マープル役: ジェラルディン・マクイーワン 

ヒクソン版とマクイーワン版マープルを見比べてみよう企画第2弾、お題は『書斎の死体』です。どちらも初見。

比較の前情報として、私がミス・マープルを映像で初めて見たのはマクイーワン版、でも見てる数が多いのは多分ヒクソン版。私の中のマープル像は”一見お地蔵さんに見えて目がわらっていなさそうな、丸顔でゆっくりかつ慌てながらしゃべるお婆さん”なので、どちらもイメージと違い特にどちらにも肩入れしていません。

マクイーワン版は酷い改変もありますが、後発組ですでにマープル=ヒクソン像が固まってしまっているため必要以上に厳しい目で見られているという印象もあるので(ヒクソン版も『カリブ海の秘密』とか『ポケットにライ麦を』とかの酷い出来の回があったし)、とりあえずマクイーワン版から視聴です。あらすじは原作感想参照。

  ⇒あらすじ、原作『書斎の死体』読書感想はこちら
  ⇒ヒクソン版『書斎の死体』視聴感想はこちら
  ⇒アガサ・クリスティ 作品・感想一覧はこちら

開始しょっぱな、死体を見つけた0.1秒後には叫び声をあげていたメアリーと、そこでもや~んと入るタイトルに、「間」はないのか「ま」は!と微妙な予感を感じつつ始まったこの作品、まずはバントリー夫人がケバくてびっくり。書籍の『火曜クラブ』に出てきた時は園芸好きの女性として描かれていたので、田舎の中年の小太りの女主人を想像していたのに。この話のバントリー夫人に限らず、全体的にマクイーワン版は人物が派手です。背景や小物の色使いに独特な美学があるので、人物も結構派手にした方が映えるのでしょう。マクイーワン版の悪趣味すれすれのオシャレは見ていて楽しいことも多いのですが、バントリー夫人は素朴なイメージだったのでちょっとケバすぎたかな~。



残念ながら書斎はあまり映らなかった。原作の著者の言葉に「この作品のためにバントリー大佐はこれぞザ・書斎!という典型的な書斎を持つことになった」とあったので、映像で見れるのを楽しみにしていたのだけれども。

ダンスに縁もなく、ダンスホールのある高級ホテルでそれ用のホステスがいて…と言うのがいまいち想像できていなかったので、ダンスシーンはなかなか興味深かったです。ダンスホール、海外のホテルでも見たことないけど、気付かなかっただけで今でもあるんだろうか。そしてマジェスティックホテルは想像していたより大きかった。昔のホテルって小じんまりとコンパクトで重厚なイメージだったのだけど、こういうのもあるのね。




以下ネタばれあり

20151113_1470_2.jpg


なんでこのこのシリーズはいちいち同性愛を絡めるのか。同性愛だろうと異性愛だろうとどっちでもいいし理由が無ければ同性愛を出すなとも言わないですが、原作にない設定を出すには、そうすることで原作よりいい話になるか、もしくは時間内に収めるためとかそういったどうしようもない制作上の理由がないと納得ができん。マープル不倫とかもね。「愛のためよ、愛」とか言われても、時間の割に登場人物が多く深堀されず、そこまでの愛憎劇を感じさせる内容になっていないので、いまいち感情移入も納得もできず。



これ、原作の話自体もあまり面白くないから筋は変えてもらった方が全然嬉しいのだけれども、変えてさらにつまらなくなったとか救いようがないな…。正直話の筋の感想を書く気もしないです。原作と犯人が変わっていたので、普通だったら原作読んでる人も新ためて楽しめるはずのドラマなんですが、なんかこれは原作読んでる人も読んでない人も楽しめなかったのではないでしょうか…。そういえばこのシリーズ、犯人が同性愛に改変されている話もう1個あったけど、あれもひどかったな。

なんか最後の海岸のラブシーンはちょっとシュールなコントのようだった。あそこは感動する場所だったんだろうか…。

「あの人、大丈夫ですか?」「ええ、もちろん。名探偵なの」 ――ジョージー・ターナー&ドリー・バントリー

 
       
 
         
関連記事

 マクイーワン,