旅行鞄にクリスティ

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【ドラマ】ミス・マープル『パディントン発4時50分』―クリスマスなので、何も考えず頭からっぽにしてお楽しみください(アガサ・クリスティ原作)


『パディントン発4時50分』
ミス・マープル役:ジェラルディン・マクイーワン 

ずっと前なので記憶が定かではありませんが、私がミス・マープルを、ヒクソン版もグラナダ版もひっくるめて、初めて映像として見たのはこの作品だったと思います。原作でとても好きな話なので、映像になるとこんな感じなんだ、お屋敷うひょ~と嬉々として見た記憶があります。クリスマスのこの時期に、この作品の再放送。嬉しい。ということで、他の作品をすっ飛ばして記憶も新たなうちに感想を(あらすじはヒクソン版の感想↓参照)。

今改めて見ると、特にヒクソン版と比べるとルーシーが派手だなw 相変わらず悪趣味とセンスの良さのスレスレの部分を行くグラナダ版の衣装。ルーシーも素敵!と思う衣装と、いや理解できない…と思う衣装と両極端でw 比較的スカートやワンピは可愛かった。グラナダ版の映像を見ていると毎回思いますが、相変わらず赤と緑が効いててかっこいいです。黒のワンピースのウエストを赤い太いベルトでキュッと締めてたり。対して、パンツスタイルは微妙。妙~に短い丈のパンツの時に不思議なシルエットのベストを着ていて、なぜか”なんだそれ、花咲かじいさんかよ”と心の中でつっこみを入れていたのですが、そうかあのベストは裃を連想させるシルエットだ…。緑のモワッとしたコートとかも難易度高いわ…。今回はベストというのかチョッキというのか、そのコーディネートが多かったですが、スカートとの合わせ方がいろいろとかわいかった。そしてトランプ柄のエプロンも。あれ売ってたら買いたい…。

 ⇒あらすじ、ヒクソン版『パディントン発4時50分』視聴感想はこちら
 ⇒衝撃のラザフォード版パディントン『夜行特急の殺人』視聴感想はこちら
 ⇒原作『パディントン発4時50分』読書感想はこちら参照
 ⇒アガサ・クリスティ 作品・感想一覧はこちら



ヒクソン版のルーシーが、知的でかなり落ち着いていて大人な感じの、品のある人物像だったのとは対照的なルーシー像。家政婦さんとしてはヒクソン版の方があってるのかな。個人的には、原作を読んだ時は、ヒクソン版とグラナダ版の中間ぐらい(またはヒクソン版寄り)ぐらいの印象を持っていました。ヒクソン版はそれはそれで素敵ですが、ルーシーも髪型がちょい残念で若干落ち着きすぎかな、でも見ているうちにはまってきたかな~といった感じで、かなり理想に近いですがあと一歩な印象でした。グラナダ版はなんというか突き抜けてしまっているというか。車も真っ赤で派手派手、それでヒョウ柄のコートを着た金髪美女が屋敷に乗りつけるわけですよ、家政婦として。ご主人様もきっと引いていたことでしょう。つっこみどころ満載ですが、結構好きです。ヒクソン版の台所掃除場面のようなスーパー家政婦☆ルーシー無双は無く、よってグラナダ版を見ても特に無性に部屋を掃除したくなるような効果はなく、そこはちょっと残念か。



以下ネタばれあり



グラナダ版ルーシーは、家政婦にしては服装だけでなく態度がでかいわ、犯罪の証拠は素手で掴むわで、原作での魅力の一つだった頭の良さは正直あまり感じられません。中に入り込んで家事をしつつ情報を集める、というより、お色気仕掛けメインになっているような。ルーシーだけでなく、クラッケンソープ一家もお間抜け度UP、最初に通報したダメ警察等、登場人物は全体的に軽いノリになっています。登場人物の内面もあまり描かれず、祖父に端を発する家族間のどろどろもなく。大筋はあまり変更ないものの、『パディントン発4時50分』の設定を借りた別の作品として見た方がいいかも。でもその分会話はテンポよくコント風味で、エンターテイメントに徹した感じ。これはこれで好きです。



ミステリーとしては、原作からして、顔も見ていない後ろ姿だけの目撃証言のみ、と証拠が大分弱いので、そのあたりは私は最初から期待せず見ました。犯行動機の改編があって、お金ではなくいつものグラナダ版のお約束、「愛よ愛」でしたが、今回は比較的すんなり受け入れられたかな。エマにとってそれが救いになるとは思えず、他にエマへはなんのフォローもなく終わってしまいましたが。クラドック警部の代わりに登場したトムとミス・マープルのコンビはお気に入り。最後ルーシーがトムを選んだ時は心の中でガッツポーズでした。原作に忠実なのが好きな人にはあまり勧められませんが、そう真剣に見ず、軽いノリで見ると、クリスマスのうきうき感と相まって、楽しい作品です。

 ⇒アガサ・クリスティ 作品・感想一覧はこちら

 
       
 
         
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