旅行鞄にクリスティ

日々のあれこれを忘れ、手の届く贅沢で自分を甘やかし明日への活力を養うブログです。バッグにアガサ・クリスティを詰めて行く海外旅行が最大のご褒美。


【ドラマ】ミス・マープル『予告殺人』 (アガサ・クリスティ原作)




『予告殺人』
製作:2005年
ミス・マープル役:ジェラルディン・マクイーワン 

これは面白かったです!再放送していた『予告殺人』、大分前に見たことがあり初見ではないのですが、それでも充分楽しめました。『予告殺人』は原作からして良いです。グラナダ版の例によって改変が多いので、改変苦手な人にはお勧めできませんが、私は平気なので1時間半しっかり楽しめました。あらすじは原作感想↓の方に書いたので省略。

登場人物は、原作を読んだ時に想像していたイメージにかなり近い配役でした。特にミス・ブラックロック、ドラ・バンナー、ミッチーがドンピシャ。リトルパドック勢はかなりイメージ通り。こんなところにまさかのオリヴァ夫人が(ミス・ブラックロック役のゾーイ・ワナメーカーは名探偵ポワロでオリヴァ夫人を演じている)。落ち着いたミス・ブラックロックはエキセントリックなオリヴァ夫人とは全然役柄が違うけれど、でもさすが女優さん、違和感ありませんでした。

そして唐突に箱型サウナに入っているミス・マープル登場。だからやめてこのサウナはwもう『ケロッグ博士』しか浮かばないからww(⇒参照:『魔術の殺人』―『ケロッグ博士』的に胡散臭い慈善施設の殺人事件) ポワロも入っていたけど、このサウナはこの時代の流行りだったんだろうか。優雅な音楽が流れる中、四角い箱の上にマクイーワンの丸い顔がのっかってる絵づらは結構シュールです。ほんわかした満足そうな表情なのも笑いに拍車がかかる。いいですね~、かなり攻めのマープルです。このサービスショット、ビジュアル重視の女優さんなら、このサウナに入るのはお断りするかもしれん。

 ⇒ヒクソン版『予告殺人』視聴感想はこちら
 ⇒『予告殺人』原作読書感想はこちら
 ⇒アガサ・クリスティ 作品・感想一覧はこちら

話はそれますが、私も去年温泉療法ならぬタラソテラピーに行って、箱型ではないですが、泥を塗られてサランラップと毛布でぐるぐる巻きのミイラにされて蒸されてきたのですが、この手の施術ってほんと人には見せられない姿になりますね。全身サランラップとか、顔面泥パック状態でゴロンと真顔で横になってる姿は、冷静に誰かに見られたら死にたくなるw

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

チケット ミス・パリ 塩マッサージ
価格:19440円(税込、送料別) (2016/10/24時点)


今回はミス・マープル、蒸気サウナだけでなく、終盤では雨に打たれたりとハードです。お年的に大丈夫なんだろうか…。マクイーワン版はアクティブ・マープルなので、演じる方は大変そうだな。

バイオハザードII アポカリプス [DVD]

出演者は結構美男美女ぞろい。中でもジュリアがものすごい美人です。シエンナ・ギロリーという女優さんで、バイオハザードⅡに出ていたらしい。綺麗な目からでかい口、骨格まで、とても理想の顔です。元は金髪らしいですが、黒髪がとても似合っている。ジュリアが出るシーンは、誰がしゃべっていようとジュリアの顔にくぎ付け状態でした。最後のキャメルのスーツに水色の短いインナーのファッションもとても素敵です。自分ではやらない色合わせだったので、今度参考にしよう…。今作では、女性陣はスーツが多い印象。昔は日曜礼拝にはスーツがお決まりだったんでしょうか。

逆に残念だったのが、原作で一押しのクラドック警部。なんかしゃくれてて個人的にはいまいち…。いや、でもクラドック警部はドラマだとそもそも出てこないことが多いので、出番があるだけましか。


以下ネタばれあり(ドラマ版『書斎の死体』のネタばれもあり)

entry-162.jpg



間をとったりせず、さらりと流れたからでしょうか。普通の異性カップルがわけもなく登場するのと同じように、同性愛カップルがわけもなく登場してもいいよね、という感じで。『書斎の死体』の時に意味もない同性愛改変にうんざりしたのは、あれは犯人で共犯でという重要な役どころで動機にも絡む改変だったので、改変するならそれだけの必要性を持たせてくれよ!と思ったのでしょう。

どちらかというとイースターブルック大佐とスウェッテナム夫人の改変の方が気になりましたが(やたら尺とってたし)。が、原作では大佐と若妻はみるからに雑魚キャラで読んでいて早々に容疑から外したので、ちょっと疑惑を煽る(イースターブルック大佐の、というよりスウェッテナム夫人と息子の)意味では、あの改変はアリと言えばあり、なの、か…?


一番なんじゃこりゃと思ったのは、ラストの解決編。原作では、”ミッチーがいつものように逆上し口からでまかせでミス・ブラックロックが犯人だと言いたてる…と見せかけて実はミス・マープルと警察と協力してミス・ブラックロックをはめて自白させる”、というミッチーの唯一の活躍の場面のはずでした(いやデリシャス・デスも見せ場か)、が…。ミッチーが包丁持って襲いかかってきたのは演技じゃないんかい!?素で逆上しただけかよ!と。そのまま隣の部屋に押し込まれてミッチー劇場あっけなく終了。その後マープルさんが普通に犯人解説してました。えぇ…。それとも、説明が無かっただけで、ドラマでもあれはミス・ブラックロックをはめる一環だったのだろうか…。

でも、原作の感想でも書きましたが、自分の少女時代を知っている人が一人もいなくなるという孤独が描かれているのが個人的にこの話の一番のポイントだったので、ミス・ブラックロックの、誕生日パーティからドラの死体発見、そこからの追い詰められた落ち着きのない様子と最後の「ごめんなさい、ごめんなさい…」まで、なかなかぐっとくるものがありました。人を3人も殺したことや殺人の罪に問われることより、とにかくドラを殺したことに苛まれていたあたり、道徳感よりも個人的な感傷が優先してしまう人間の身勝手さに妙なリアリティがあり。バースデーケーキの場面はなんとなくホームビデオのように揺れる感じのカメラワークで、皆の笑顔が順に映るシーンが悲しいです。まぁその後すぐお尻触ってましたけど…。



原作自体面白いですが、限られた時間の中でテンポよくまとまっていて、飽きずにあっという間に見終わりました。

シャーツは相手を間違えたわね ――ジェーン・マープル

 
       
 
         
関連記事

 マクイーワン,