レトロな旧軽井沢で半日レンタサイクルして洋館巡り【大正浪漫なアンティーク旅】

夏の避暑地の定番、そしてちょっとレトロでお嬢様な気分が味わえる旅行地、軽井沢。だいぶ前の軽井沢レンタサイクリング旅行記がほっぱらかしになっていたので、今更ながらにアップしていきます。
私は学生時代、軽井沢にはよく行っていたのですが、冬のスノーボードが目的でしかも泊まっていたのが友人の家の山奥の別荘に雑魚寝というなんの風情もない旅だったので、中心部にはほとんど行かず軽井沢をじっくり散策したことがなく。行ってもアウトレットぐらいでした。
一度ぐらい避暑地軽井沢で、旧軽井沢銀座をひやかし眺めつつ森の小道をサイクリングして、おなかがすいたら万平ホテルでアップルパイを食べる…そんなこれぞ軽井沢な王道な過ごし方がしてみたい、ということで8月の夏まっさかりの軽井沢旅行を計画しました。

旅のイメージ的には、北村薫のベッキーさんシリーズですw
これは昭和初期の上流家庭の女学生が主人公の推理小説で、いつもは都内を運転手付きの車で移動する主人公も、夏は軽井沢に行きふらふらと自由にショッピングをしたり、お隣の別荘の(=もちろん広大な敷地なのでかなり離れてる)同級生が馬に乗って現れてごきげんようしたりする合間に人が死んだりする話です…と書くと語弊がありますがそんな感じ。
夏に軽井沢に避暑にいく、というのがあこがれだった時代の物語。そんな雰囲気がテーマなので、サイクリングでめぐるところは明治~昭和初期の洋館たち。ちょっとレトロで大正浪漫な軽井沢を、緑の木漏れ日を浴びながらレンタサイクルして巡って来たので、所要時間も交えて詳しくご紹介します!
軽井沢でレンタサイクル
さて、都内から新幹線に乗り軽井沢駅に着いたのが11時過ぎごろ。まずはレンタサイクル屋さんに行き、早速自転車を借りましょう。

駅のそばにいくつかレンタサイクル屋さんはありますが、暑くて少しでも歩きたくなかったのとで、私たちは軽井沢駅北口を出てすぐ目に入ってきた、「地産サイクル」で借りました。でもいざ借りて漕ぎたしたと思ったらすぐサイクルメイトQもあったので、こっちで借りても良かったかも。
地産サイクルは1時間500円で1日乗り放題で1,100円ぐらいだったと思います。サイクルメイトQなんかは、事前に調べた限りでは1000円しないで借りれるみたいでした。なお、どのお店もシーズンによって料金は変動するようでHPにも詳しくは載せていないので料金は実際に現地に行ってみるまで分からない部分があります。
さて、地産サイクルで借りた自転車は、赤と白のロココ。

サイクリングマップなんかももらえます。私たちがめぐるのは基本的にそんなに入り組んだ道ではないので、マップ無しでも行けそうであはる。

ではまずはショッピングがてらお昼を食べに、旧軽井沢銀座通りへGO! 話をしながら街中をのんびりと走り、15分ほどであっという間に最初の目的地へ到着。
川上庵でお蕎麦を食べつつ旧軽井沢銀座通りをショッピング
行くまでは、自転車停める場所あるかな~と心配していましたが、軽井沢ではサイクリングは王道な移動手段なので、主要な観光地にはどこも自転車用の駐車場がついて行けばわかるようになっているので心配はなさそう。

旧軽井沢銀座通りの入り口付近にある駐車場に自転車を停めます。
11時半と、お昼にはまだちょっと早い時間についてしまったので、ランチのお店を偵察しにかるく通りを見てから、やはり当初の予定通り「川上庵」で食べることに。

軽井沢でお蕎麦、といったらまずここではないでしょうか。旧軽井沢銀座通りの入口のロータリーのところにあるお蕎麦屋さん。
入ったのは12時ぴったりぐらいで、待っていたのは数人程度。テラス席は満席。

冷たい水で生き返ります。カフェ風の店内がおしゃれ。

頼んだのはてんぷらそば。ちょっと濃いめの味付けでしたが美味しかった。
出る頃には行列は外まで続いていました。
さて、食後のデザートは、通りで食べることにいたしましょう。

やっぱりミカドコーヒー。あまりにベタな組み合わせ?でもそいういうテーマの旅なので…。
しかし8月の軽井沢は、受け取ったソフトクリームが写真を撮る間にみるみる溶けてくるほど暑いです。通りには日差しを遮るものはなく、こんな状態。

なので夏に来る方は帽子か日傘を忘れずに。

そんな日差しにもめげず、プリンやはちみつを試食したり、オリーブのカッティングボードを見たり。

一休みしたりしながら、通りの終わりの方まで来ると、奥のはなにやら涼しげな緑の道に。日陰を求めてふらふらと覗いてみると…

木陰の中には礼拝堂が。

軽井沢ショー記念礼拝堂
軽井沢を避暑地として開拓したショー氏を記念して作られた教会です。最初にこの建物の原形が造られたのは1895年(明治28年)で、現在の形に増改築されたのが1922年。現在軽井沢に建てられている教会の中では一番古い建物とのこと。
このあたりから奥は商店街が終わり、緑の道が続いています。こっちをサイクリングしても気持ちがよさそう。

木の緑と、奥からくる赤いバスの対比が可愛い。通称「赤バス」です。万平ホテル・旧軽井沢を経由して碓氷峠頂上近くの標高1200m展望公園「見晴台」まで走る観光バス。
これに乗って観光するのも考えましたが、でもどうしてもサイクリングで通りたい道があったのです。では、そこに向かいに、通りを引き返し自転車をピックアップし、サイクリングに戻りましょう。
この時点で時刻は1時40分。旧軽井沢銀座通りには、お昼も含めて2時間近くいた感じですね。
三笠通り…軽井沢でサイクリングするなら外せないおすすめコース
さて次の目的地は、ちょっと離れていますがどうしても行ってみたかった旧三笠ホテル。
このホテルに行くために、そしてそこに至るまでの道である三笠通りの美しさに、軽井沢でサイクリングをすると決めたといっても過言ではないかも。
駐車場から5分ほど北上すると、いつの間にやら自然が増えてこんな並木にとり囲まれます。

この並木道に入ったとたんに、うわ~っと思わず歓声を上げてしまいました。なんと気持ちの良い通りなんだ。

美しく並んだカラマツの木に囲まれた並木道。平で真っすぐな道路が約2kmにわたって続いています。

秋は紅葉、冬は雪景色、そして夏の今はこんな緑。

木陰で夏の暑さが遮られて、サイクリング日和。木漏れ日が気持ちが良い。緑の光に包まれて森林浴をしながら漕いでいきます。


途中水を飲んで休憩しつつ、20分ほどこいで次の目的地へ。終わってしまうのが残念なほど気持ちのよい並木道。
でも到着した場所もまた素晴らしいのです。
明治の洋館「旧三笠ホテル」でアンティーク気分にどっぷり浸る
この軽井沢旅行で、絶対に行こうと思っていたのが旧三笠ホテル。

明治時代に建てられた日本人の設計による純西洋風建築の高級ホテル(現在は廃業)で、国の重要文化財に指定されています。
客室数30室ほどの小さなホテルですが、中は贅を凝らした調度品の数々。私は大きな最新式のホテルよりも、重厚で伝統あるスモールラグジュアリーホテルが好きです。
中に入って見学することができます。入館料は大人400円。

当時の調度品も展示されており。


ちなみにもちろん触ったりはできません。年代物なので、ベッドに触ったり椅子に座ったりは厳禁。


1906年に建てられた三笠ホテルは多くの政財界人、文化人が利用、「軽井沢の鹿鳴館」とも呼ばれ海外からの賓客ももてなされたそう。そして途中戦争や経営母体の変更を経て、1970年にホテルとしての役割を終えます。
廃業の時点で竣工当初の建物のおよそ50%が現存していたのだとか。




贅沢な内装に、木造建築の温かみと歴史のノスタルジックさが織り交ざった、とても素敵な空間です。

洋館好きにはたまりません。

時代を経た、くすんだカーテンから差す光というのはなんて綺麗なんでしょうかね。


人が多いので多少すんなりとまわれない感じはありますが、こじんまりしたホテルなので一通り回るのにそんなに時間はかかりません。
中心地からちょっとはなれているけれども、ここはまた来たいな。

ワンピース:コントワー・デ・コトニエ
バッグ:LONGCHAMP
万平ホテルで伝統のアップルパイを食す
さて、明治時代のアンティークホテルを堪能した後は、現在もホテルとして営業中のクラシックホテル「万平ホテル」にておやつタイムといたしましょう。

来た道をダ~ッと戻り旧軽井沢銀座あたりから横道に入り、到着。旧三笠ホテルから30分ぐらいかな。

言わずと知れた、ジョン・レノンが生前毎年夏に愛用していたホテルです。そのカフェでホテル伝統のアップルパイを食します。
そしてついたのは、ハイシーズンの夏の軽井沢のおやつ時の15時。もちろん混んでいます。ホテルのロビーも素敵だったのであちこち見学しつつ、本を読んだりして時間をつぶし、40分ほど待ってやっと席に。

信州産リンゴをたっぷり使ったアップルパイに、バニラアイスを添えていただきます。
待ったかいあって美味しい。温かいアップルパイに冷たいアイスクリーム、幸せの組み合わせですね。

そして飲み物はやはりジョン直伝のロイヤルミルクティに。あまりにベタな組み合わせですね。そういうテーマの旅なので…。
ちなみに、カップのよこにある木の札は伝票替わりです。こんなところも素敵。次来た時は万平ホテルに泊まりたいな。
雲場池は夕方はちょっと怖い?
さておなかも満たされたので、最後の目的地 雲場池に。日差しも少し傾いてきたので急いで向かいます。

15分ほどサイクリングして到着。雲場池は軽井沢の紅葉の名所。夏の今はうっそうと緑が生い茂っています。
秋はすごく混むようですが、この時は夕方近かった(16:30)のもあってか人はぽつぽつ程度でそこまででもなし。

池の周りには遊歩道ができているので、ぐるっと一周できます。一周20分ぐらい。
池には亀や鯉、カルガモなんかもいるので、生き物を探しながら散策します。

ただ、小さな池ですが奥に行くほど小道は狭く木や草の背丈も高くなっていき、うっそうとしていて見晴らしが悪いので、なんとなく夕方に奥まで行くのはちょっと怖くも感じました。と言いつつ、引き返すのも面倒だったのでそのまま一周しましたが。
見たところ入口あたりは人が割といたものの、一周している人はそんな少ない感じ。次行くときは、夕方じゃなくて工程の最初にいこうかな。池は軽井沢駅からほど近いのです。
アンティークで大正ロマンな軽井沢サイクリング旅、終了
ということで以上!11時ぐらいに軽井沢について17時に再び駅へ。全部で6時間の半日観光、旧軽井沢のアンティークで大正ロマンな洋館をめぐるレンタサイクルの旅はこれにて終了です。翌日はアウトレットのみだったので旅行記は省略。
ちょっと非日常な、昔のお嬢様たちの日常が垣間見れる軽井沢洋館巡り。特に三笠通りからの旧三笠ホテルの一連の流れが最高でした。

ノスタルジックな雰囲気に浸れるだけでなく緑の癒しがとても心地よく、心が洗われるような体験だったので、また軽井沢に行ったらサイクリングで行こうと思っています。次は万平ホテルに泊まって、さらにどっぷりと古い時代にひたろう。
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