海外旅行保険は入るべきか?
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海外旅行保険って必要なの?と疑問に思いつつも、最初の頃はよくわからないまま海外旅行保険の付いたクレジットカードを持ち、それだけで安心していました。
しかし保険と言う商品の特性を考えた結果、ある程度のカスタマイズが出来たほうが得であること、そしてクレジットカードについている補償では圧倒的に足りない事から、今では旅行時に毎回保険会社の海外旅行保険に入るようにしています。
この記事では、どういった点に注意して保険をかけるべきか、そして外すべきか、元保険会社社員の私が詳しく解説します。
保険に入るのは得なの?損なの?
保険を考える際に、まず頭に入れておくべき重要な原則は以下の2点。
- 保険料、契約者に支払う補償金の他に、保険会社の人件費や経費もまかなわれているため、基本的には保険はかければかけるだけ契約者が損をするものである。
- 保険とは、”こんなことが起こったら破産する!”という自分の貯金・財力を超えたハプニングがあった際に威力を発揮するものである。
つまり、保険に入った場合、大事故に遭った時だけ得をできる、というのが保険の大原則です。とうことは逆に言うと、貯金で対応できる範囲の小さな事故に関する保険は、入ると基本的に損になるということになります。ここをわかっていない人が非常に多い。
自分では支払えないような大事故への補償を選ぶ
具体的には、海外旅行保険で言えば、治療費や救援者費用、賠償等の補償は、無いと万が一の場合破産しかねないので、保険を掛ける必要があります。海外では当然日本の健康保険は使えないので、大きな病気・怪我をした場合数百万程度では足りません。よほどのお金持ちの人でない限り、保険は必要。
一方、携行品損害(持ち物やスーツケース等が壊れた場合に修理費を補償してくれる保険)などの、損害の額がたかがしれている事故に対する補償は不要ということになります。どんなに酷い損害がでても、最大でも自分の持っていった持ち物の総額までなので、懐は痛いですが破産はしません。
小さなことでも補償してくれる保険を掛けるのは損である
もちろん携行品損害を補償する保険をかけていて、たまたま運よく(?)スーツケースが壊れ、補償された修理費が支払った保険料以上だったので結果的に得をした、というラッキーなことも起こり得ます。
しかし何度も旅行に行くと、毎回支払っている保険料とたまに貰える保険金を比較すれば、結局は支払っている額の方が多くなるのが当たり前です。そうでないと保険と言う商品は成り立ちません。際に上げた原則1のように、保険は掛ければ掛けるだけ損になるので、この程度の額の事故に対しては補償内容から外す方が得です。
たまにスーツケース破損のように小さなことでも保障され、頻繁に保険金が貰える保険を得だと勘違いしている人がいますが、支払っている保険料の中でその分の保険会社の手間賃も払わされているので、損・得のみで考えれば小さなことでも保障される保険は損です。
保険で得をするには
まとめるとつまり、できる限り損をしない保険の入り方はずばりこうです!
小額・小さな事故に関する補償は外せるだけ外し、万が一起こった場合に自分の財力を超えると考えられるものを重点的に補償する保険にはいるのが良い
これが正解。しかしこれの逆パターンの内容をわざわざ好き好んで入る人がいますね。ちょっとしたことで払ってもらえて、滅多に起きないことについてはどうせ起きないだろうからいいやと補償を外す人、小さい事故で払ってもらえないと何のために保険かけているんだと怒る人。もうちょっと頭使って考えたほうがいいです。
ちなみに私は、そんなことを言いながらもいろいろな補償がある程度パックになったタイプの保険に入っています。その方がいろいろと楽だし、結局は安心だし。損得で保険を考えるか、安心をお金で買うか、この辺はもう個人の好みの問題です。あくまで損得で考える場合は、上記のようになります。
大事故の際は諦める?
損得以前に、そもそも、”破産するような事故になんか滅多にあわないから保険は不要。万が一の場合はすっぱり諦める”という考え方もあります。仲のよい家族がいないならそれもありかも。しかし大事な家族がいる人は別です。
大事故の際は自分の意思は伝えられない
大事故の際の対応や治療の選択を迫られるのは、家族である可能性ががあります。海外で大怪我し意識不明になった時や、マリンスポーツ時に流され捜索される場合など、いくら自分では諦めるつもりだったとしても、「私お金払えないから絶対治療しないで or 探さないでください」とは伝えられない状況。仲の良い家族ならなんとしても助けようとしてしまうでしょう。
この先いったいいくらまで膨らむかも分からない高額な治療費・捜索費用がかかるわけですが、家族ならできる限り負担しようとし、もし財力が切れて負担できなくなった場合に、そもそも本人が保険をかけなかったことが悪いのですが、家族に責任を感じさせてしまうことになります。事故でただでさえ心配をかけている上に、年取った親にお金のことでさらに負担をかけたくはないので、私は保険に入っています。
海外旅行保険に入っていないと治療を受けられない場合もある
また、さらに怖いことには、アメリカの民間病院では、無保険で支払い能力の無い人(クレジットカードの限度額の余裕の無い人、保険に入っていない人)はそもそも治療拒否されるようです。もともと高額で有名な恐怖のアメリカの医療費、ただの盲腸でもウン百万円等と言われる金額を、全額自腹でおしみなく払える人はいるのか…?
治療拒否のされない公立病院には、保険にも入れない貧困層の緊急患者が押し寄せているので、痛くて転げまわっていても数時間待ちはザラだとか。他の国では保険をかけない人でも、アメリカに行く場合は保険に入った方がよさそうです。

お勧めの保険の一例
全ての保険を比較したわけではなく、私が自分で入る際に調べた範囲でよさそうだと思った保険の例です。どちらも実際に加入したことがありますが、幸いなことに大きな事故にはあっていないので、事故対応等については不明。なお、単なる一個人が調べた内容な上に、調べた時点と今では内容が変わっている可能性もあるので、参考程度にとどめて下さい。
持病のある人
私が毎回入っているのはAIUの海外旅行保険です。ただし万人にお勧めできる保険ではありません。持病アリの人のみにおすすめです。なぜかというと、渡航前の既往症、つまり旅行前からかかっている病気の急変にも対応してくれるから。
普通の保険は、契約前からかかっている病気に関係するものは一切支払ってくれません。私はバセドウ病の持病があり、また父も母も高血圧やらなんやらで通院中。全員、他の保険だと悪化した場合一切支払ってもらえないし、この持病が原因で引き起こされた他の病気も補償してもらえない。AIUなら既往症に起因する病気も大丈夫です。ただしもちろん補償されるのは急変のみですよ。いつも日本で貰ってる薬を、旅先で海外旅行保険使ってタダで貰うとかはできない。
持病が急に悪化した場合にも支払ってもらえる海外旅行保険は、AIUの他には東京海上にもあったような。でもネット契約は不可でした(2014年7月時点)。ネットで契約できる既往症の急変に対応できる保険で私が見つけられたのはAIUだけだった。ということで私はここ何年もAIUで契約している。既往症のない人にはAIUはお勧めしません。既往症をカバーする分、保険料が当然高くなっているので。
⇒海外旅行保険のAIU保険
なお、持病のある人、旅行に薬を持って行く人はこちらのエントリーも参照⇒バセドウ病、または持病のある人の海外旅行
持病のない人
持病のない方は、損保ジャパンの海外旅行保険off!等ネットで申し込め、補償内容がある程度カスタマイズできるタイプが安くておすすめ。セットのままでなく、不要な補償は外して利用する。バセドウ病になる前は、これに入っていました。
万が一の時の対応は、大手ならどこもあまり変わらないのではないかな。どこそこの会社がひどいという話もありますが、あたった担当者にもよるだろうし…。
クレジッドカードに付帯された海外旅行保険
クレジットカードによっては、サービスで海外旅行保険がついている場合があります。ただ気をつけなければならいのは、カード付帯の保険は補償額が低いことが多いです。
これまで上で述べてきたことを考慮すると、よほど高いランクのクレジットカードでもない限り、付いてくる補償では圧倒的に足りない印象です。カードの補償額では、「自分では支払えないような大事故への補償」にはなっていない。
なので私も、持っているシティカードに海外旅行保険がついていますが、それに加えて上記AIUの海外旅行保険に入っています。
クレジットカードに海外旅行保険がついている方は、その補償内容で本当に”こんなことが起こったら破産する!”というまでの自分の財力を超えたハプニングに対応できるのかどうか、見直してみたほうがいいですね。

