旅行鞄にクリスティ

日々のあれこれを忘れ、手の届く贅沢で自分を甘やかし明日への活力を養うブログです。バッグにアガサ・クリスティを詰めて行く海外旅行が最大のご褒美。


【ドラマ】名探偵ポワロ『ベールをかけた女』 ―マリオでバイキンマンで一休さんなポワロ




『ベールをかけた女』

原作は短編集『ポアロ登場』に収録。これは訳がぶっ飛んでたのでかなり印象深い話www あの決め台詞がドラマでも出てくるかちょっと期待していましたが、残念ながら出てこなかったもののその代わりドラマは話がぶっ飛んでいました。話が、というか二人が。まずはあらすじ~

 ⇒関連エントリー:【本】『ポアロ登場』― 割とすっとんきょうなポアロです

宝石泥棒に一杯食わされ愚痴るジャップとは対照的に、このところ依頼がなく仕事が上がったり状態のポワロ。そこに深くベールを被った女性が、公爵と婚約中の身だが若いころの恋文をネタにラビントンという男に強請られていると助けを求めに来る。ポワロは彼と交渉をするが、決裂。ラビントンの留守中に家に忍び込み、手紙を取り返そうとするが―

ポワロのおひげが!まるでどこぞの配管工のようなことにテレッテッテレッテ、プワーン!服装・外見って大事ですね。オーラの消えっぷりがすごい。ただのおっさんになってました。どっかの話で、尾行する時でも変装はしない!素顔で堂々と!と言っていたポワロも、さすがに不法侵入時は素顔ではないようです。

黒づくめの泥棒ファッションも色々と酷い。二人とも、一体誰だよ、という感じで。もしこの場面から見始めたら、絶対公式とは思わず、ポワロ物のパロディだと思ったかも。ヘイスティングズなんか、強請り男には「何て下劣な野郎だ!」と怒り狂う一方で、こそ泥に関してはノリノリ。しかも逃げ足超早いし!すごい恰好良く窓割ってたし!お前にはがっかりだ!

そして二人が黒ずくめで、縮こまってわちゃわちゃ動いて、小声でしゃべっている様子を見ていると、なんだか歯医者にありそうな漫画の虫歯菌を思い出したのは私だけでしょうか。バイキンマンとか。黒い槍を持たせたい感じですね。二人ともどう見ても悪役です、それもおまぬけ系の。そんでその恰好で、「冷静に。灰色の脳細胞を働かせるんです」とか言いながらどこぞの一休さんのように瞑想しだすし。なんかいろいろ混ざってる。いろいろ酷いw

今作は人物関係は凄いことになっていますがw、背景や小物は素敵♪ 冒頭強盗に入られるシーンのアーケードはセットだろうか?整然と並んだおそろいの入り口に、丸い屋根の天井、あちらのクラッシックなアーケードは絵になります。そう言えばこの間ポワロさんの故郷ベルギーに行った時に行った、ヨーロッパ最古のアーケードの一つ、ギャラリー・サンテュベールに行きました。思わず強盗に入りたくなってしまうようなお店がいっぱい。本当にあちらの建物は素敵だわ~。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【送料無料】 サンタマリアノヴェッラ 【Santa Maria Novella】...
価格:7960円(税込、送料無料) (2016/11/24時点)



それに加えて今回は、家の中を嗅ぎ回る話なのでインテリアの細々した古めかしいものがアップで映ってとても福眼でした。銀食器の磨き剤はあんな容器に入ってるんだ~とか。ミス・マープルの『蒼ざめた馬』でも思いましたが、ああいうローション・クリーム系が瓶に入っているのは雰囲気があっていいです。部屋にプラスチック製品があると一気に安っぽい雰囲気になるのでなるべく減らしたいのですが、なかなか現代では難しい。

 ⇒関連エントリー:【ドラマ】ミス・マープル版『蒼ざめた馬』 ―マープルさんはきっと昔だったら魔女狩りにあっていたはず
 ⇒アガサ・クリスティ作品感想一覧はこちら

以下、軽くネタバレあり

ギャルリー サンチュベール


なんとポワロ、タイ━━━━||Φ|(|´|Д|`|)|Φ||━━━━ホ!! マジかwww まさか逮捕されるとは思わなかったわ。ここはドラマオリジナルです。原作ではだれにも見つからずすたこら逃げ出します。いったいどうやって釈放されるのかと思ったら、普段あれだけばかにしているジャップ警部頼みw ここぞとばかりにいじるジャップ警部。”通称「狂犬」と呼ばれている!”とか。そりゃ楽しくてたまらんだろうな。あんな姿のポワロさん…頭頂部で毛がピヨピヨいっていて…。

原作もわりとポワロらしくないですが、ドラマはさらにパワーアップして、全体的にコントとしか言いようがないアレンジになっています。後半はひたすらドタバタ。これはドリフですか?

「本物のラビントンをオランダで殺した後ラビントンになりすましたんですね!」 ←解説してくれる前に早く追いかけろよ
「私が見るところ、これはバーリントンアーケードから奪われた宝石ですね」 ←いや、なんか違うの混ざってない!?

推理小説では警察は間抜けなものですが、今回はそれにもまして探偵がおまぬけでした。あのヘイスティングズが有能に見えるレベル。おかしい、なんかいろいろとおかしいですぞ!モナミ。でも船のシーンでなんかいい話みたいな感じになって〆。まあいいか。



なお、ポワロはラビントンが死んでいたことから真相をつかんでいましたが、原作では、レディ・ミリセントが安物の靴を履いていたことから偽者と見抜いています。ここは原作の方が好きかな。こういうの読むと、すぐ影響されるのでちゃんとした革靴履こうと思いますw 


 
       
 
         
関連記事

 名探偵ポワロ,