【ドラマ】名探偵ポワロ『黄色いアイリス』 ―他の話との整合性がｗ
原作は同名の短編集『黄色いアイリス
』に収録。いつの間にかヘイスティングスが南米に牧場を！まだしっかり者の奥さんのいないドラマ版のヘイスティングズにそんな才能があるとはとても思えないわｗ
原作ではかわいいシンデレラと結婚して早々と２・３作目あたりで南米に移住しつつ、往生際悪くちょこまかとイギリスに戻って来ては作品に登場しつつも中期には完全サヨウナラで以後『カーテン
』まで登場しないヘイスティングズですが、ドラマではなんかいつまでたってもイギリスにいる。…と思っていたら今作にて、なんと2年前に一旦南米移住していたことが判明。この間の『ABC殺人事件』でセドリック連れて帰ってきた南米長期休暇は、やっぱり単なる旅行ではなくて移住に向けてのものだったんですかねえ。いや、でもABC殺人事件の放送は1年前だからもう移住済み？住み着いているような感じでもなかったけど。それともあれはもういったん移住やめて戻ってきてまた旅行にいったってこと？う～ん、まぁドラマの名探偵ポワロは、だれも年取らないサザエさん方式であまり時系列を考えてみないほうがいいのでしょうかね。
そしてポワロの朝食、あれは何なんでしょう。カナッペみたいな、ジャムのっけたちっさいクラッカーみたいの、甘そうでお茶には合いそうだけど、朝食としてはさすがにイギリス式のほうがおいしそう。珍しくヘイスティングズの方が正論。…というかポワロさん、前に『ジョニー・ウェイバリー誘拐事件』でイギリス式朝食をそれはそれは楽しみにしていたよね？前から思ってたけど、ドラマオリジナル部分ってその話の担当の人が好き勝手に作って、他の話との整合性とか全然考えてないのね？
あらすじはNHKオンラインより引用―
近所にオープンしたレストランと郵便受けに届いた黄色いアイリス。ポワロはある未解決事件を思い出す。
ポワロのマンションの近くにレストランがオープンする。その名前に聞き覚えがあったポワロ。同じころ郵便受けに一本の黄色いアイリスが届き、ポワロはある未解決事件を思い出す。ヘイスティングスを訪ねるため、政情不安なブエノスアイレスを訪れたポワロ。出向いたレストランには黄色いアイリスを飾ったテーブルを囲む男女がいた。その中の一人の女性が乾杯の直後に死亡したのだ。
かなり大風呂式を広げてきたドラマオリジナル部分、クーデターやら大統領やらポワロが唯一解決できなかった事件やらなんか大きな事件になっています。
まずアイリスの死は、夫ラッセルとカーターがイギリス政府から委託された金を使って石油採掘権を不正に入手し、その際支払われる金がブエノスアイレス反乱軍の資金に、ということに気づき告発しようとして口をふさがれたもの。そんでそれとはまるで無関係に、義理の妹のお金を使いこんじゃったから、前回上手くいったし同じ手口で殺しちゃえ、というのが今回の殺人。なんか1回目と2回目の規模が違いすぎるｗ
ちなみに原作で描かれるのは、2回目のポーリン殺人未遂のみです。4年前（ドラマでは2年前）のアイリスの死に関してはほぼドラマオリジナル。テーブル囲んでいて突然死という死に方に関しては一緒ですが、原作では自殺か他殺かは不明のまま。「白鳥の庭」の黄色いアイリスを飾ったテーブルに来てくれるという匿名の電話を受け、そこに向かったポワロは、たまたまそのテーブルに知り合いのアントニーがいてまんまとテーブルにつくところから始まります。
で、ポワロがスパイ容疑で逮捕されたのは、悪い取引やってたカーターの差し金で、アイリスの死とは無関係とうことでいいのかな…？そういえばドラマ版の『砂に書かれた三角形』でもスパイ容疑をかけられて出国できなかったことがあったような。あんな目立つ容貌でスパイとか…。そして『ベールをかけた女』 で留置所に置かれている時のように、またしても頭頂部で毛がピヨピヨいっていた。良く捕まるのね、ポワロさん。
』にちょっと似ています。なんとなく今作は、他の話をいろいろと思い出させるお話だった。そしていまいち決め手となる証拠がなかったような。ポーリンとポワロの目撃証言ということになるんだろうか。ちなみに原作では殺人未遂だけなのもあって、「この国から出ていけば起訴はしない」で犯人逃走で終了。最後フィッシュアンドチップスのポテトをポッキーのようにシャクシャク口に運ぶポワロさんが可愛い。なんかお人形のようだわ。ちなみにフィッシュアンドチップス、私は日本にあるアイリッシュパブでしか食べたことがありませんが、結構好きです。美味しいと思う。ビネガー沢山かけると脂っこさ半減していくらでも食べられる。
来週は「なぞの遺言書」です。
アガサ・クリスティ作品（名探偵ポワロ、ミス・マープル含む）感想一覧はこちら『名探偵ポワロ』シーズン3
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