旅行鞄にクリスティ

日々のあれこれを忘れ、手の届く贅沢で自分を甘やかし明日への活力を養うブログです。バッグにアガサ・クリスティを詰めて行く海外旅行が最大のご褒美。


【映画】『そして誰もいなくなった』―のか?(アガサ・クリスティ原作)


『そして誰もいなくなった』

原作は言わずと知れたクリスティの傑作。登場人物は初対面同士で、人間関係が掘り下げられたりしないので、個人的にはこの作品の名声から連想する程には気に入っている作品というわけではありません。共感できる心理描写というよりは人間の疑心暗鬼の心理状態や、犯行方法が一番の見所なので、ネタがわかった後で何度も読み返し楽しむような話ではないかも。

しかし一人ずつ死んで行く設定、童謡に合わせて行われる犯行、どちらもこう言っては何ですが心踊るわくわくするような設定です。今ではいろんな作品がこの2つの設定を使っていますが、どちらにおいてもこの作品が紛れもなく代表作です。

さて、映像版の感想です。今回は1945年のルネ・クレール監督版を視聴しました。白黒映画です。原作をもう何年も読んでなく犯人ぐらいしか覚えていなかったので、見ながらどこが原作と違うかはあまりわからず。

まずは何はともあれ、ヴェラ役の女優さんがとても美しい!やっぱり誰か美人がいないとつまらないよね。そして意外にもちょっとコメディ風味。笑いのでるところが何箇所がありました。まあそれは前半だけ…、さすがに後半の緊張感ではね―


以下ネタバレ

インディアン島

※写真は早川書房のカフェ・ポアロで撮ったインディアン島の模型です
⇒関連エントリー:ラストチャンス逃すか!早川書房のカフェ・ポアロに再び行ってきた



と思っていたら最後もコントだったよ!え、これで終わり?

この原作、正直そこまでお気に入りでもなく、暗い雰囲気がそう何度も読む気を無くさせるけど、それでも後半の暗い恐怖がやはりこの作品のいいところだよな、と思っていたのでこの映画版の結末にはビックリです。これはなんてひどい改変なんだと思ったら、これクリスティ本人が戯曲化した台本が元になっているのね。いやビックリ。

童謡には歌詞が2通りあり、1つは「首を吊る」で、もう1つは「結婚する」となっている。クリスティはこれを利用して、自身が手がけた戯曲では小説と異なり生存者が存在する結末になっている。舞台で登場人物すべてを殺すのはまずいとの配慮で結末が変更されたとされている。映像化された作品も戯曲版を基にしている。
wikipedia:項目「そして誰もいなくなった」参照

う~ん、ラストは原作どおりが良かったな。そこをクライマックス!と思っていたから肩透かし感が。暗い話は嫌、という人はいいかも。でもお屋敷やろうそくの灯かり等、古い時代感は楽しめたので、そこはよかったです。


by カエレバ
 
       
 
         
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